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中国で冬至に地球が暗闇になるというデマが発生。中国でデマが起こりやすい背景とは?

 

 中国の四川省で、冬至(12月21日~23日)の前後3日間に、地球が暗闇に包まれるという噂が広がり、ローソクの買占めといった混乱が生じている。

 噂は1週間ほど前から口コミで広まっていた。だが噂がネットに掲載されたことで一気に拡散し、誰もが知るところとなった。ローソクやマッチを売る店には市民が殺到、長蛇の列を作っている。中には遠方から買いに来た人もおり、多くの店で品切れとなっている。
 もちろん冬至の日に太陽が昇らないというのは真っ赤なウソ。だが万が一に備えて多くの人がローソクを購入しているという。

 中国において、この手のデマや噂が広まるのは珍しいことではない。福島原発の直後には「塩が放射能に効く」とのデマが全土に拡散。塩の販売店に人が殺到し、一部業者が買い占めるという事件も起きた。また尖閣諸島問題が発生した際にも「日本が攻めてくる」というデマが広まり、やはり食品などの買占め事件が発生している。

 中国人がこのようなデマに惑わされやすいのは、情報網の整備が不十分といったハード的な理由だけではない。中国人は根本的に政府を信用していないのである。中国の一般市民にしてみれば、清王朝の役人も、国民党の役人も、共産党の役人も同じようなものである。突然やってきて、暴力的に税を取り立てる存在でしかない。知識人や専門家なども、政府の手先であると考えており、いくら「天文学的に暗闇になることはあり得ない」と専門家が説明しても、聞く耳を持たないのだ。

 近年、共産党はこういった状況を打開するため、国民国家への脱皮を目指した教育改革を進めている。尖閣諸島問題などで愛国心を煽るのは、その一環でもある。
 一部ではその効果も上がり、中国は自分達の国だという意識も出てきているが、多くの庶民にとってはまだまだそうではない。自身は中国人であるという民族的アイデンティティは強く持っているが、国家としての中華人民共和国の一員であるという意識は希薄な人が多いのだ。
 だが考えてみればそれも当然である。いくら民意を反映するようになっとはいえ、中国はれっきとした共産国家。暴力革命によって共産党が国家を独占支配することを基本理念に掲げている国である。共産党員でない人は理論的に国に対して意見することができないのである。

 デマに惑わされるこうした中国人の行動を笑うのは簡単なことである。だが日本人の中には「ただちに影響はない」に代表されるように、科学的根拠がなくても「お上」の「お達し」を盲目的に信じる人も少なくない。また「地球が温暖化すると北極の氷が溶け海面が上昇する」という、明らかに科学的に間違った言説も通用している(全員が学校の理科で習っているはずなのに)。

 基本的に「権威」を信用しない中国人と「権威」を無条件に受け入れる日本人。どちらが本当に賢いのだろうか?

 - 社会

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