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三陸沖地震のニュース速報。絶叫するNHKのアナウンサーに、疑問の声が噴出

 

 7日17時18分ごろ、東北地方でマグニチュード7.3の比較的強い地震が発生した。青森県、岩手県、宮城県、茨城県などで震度5弱の揺れを観測、同時に津波警報が発令され、宮城県石巻市などで最大1メートルの津波を観測したが、その他の地域は20センチから40センチ程度の津波だった。気象庁は19時20分にすべての津波警報を解除した。

 今回の地震では、TV局の地震関連ニュースが以前とは大きく様変わりした。NHKは11月、昨年の東日本大震災を受け、地震速報におけるアナウンサーの言葉遣いの見直しを決定している。今回の地震速報は見直し後、初めての運用となった。
 同局の放送では、画面上に赤枠内に白抜き文字で「津波!避難!」と大きく表示。アナウンサーが切迫した口調で「東日本大震災を思い出してください」「命を最優先にしてください」などと繰り返し呼びかけた。

 だが新しい地震速報のあり方については、視聴者の中から疑問の声が噴出している。ニュースではアナウンサーが「命を最優先に!」「東日本大震災を思い出して!」などと感情的に叫ぶだけで、肝心の震源や震度などの情報がなかなか提供されない。これではいたずらに恐怖心を煽るだけではないかとの指摘が出ているのだ。
 問題はそれだけではない。このようなことが繰り返されていると視聴者の感覚が麻痺してくる危険性もある。今回、これだけアナウンサーが絶叫しておいて、結局、津波の高さは数十センチ程度だった。
 東北地方の太平洋沿岸地域は海底地震の多発地帯である。今回のような震度5クラスの地震と数十センチの津波は決してめずらい現象ではない。地震のたびにアナウンサーが絶叫していては、それは日常的な光景になってしまう。やがて本当に次の巨大津波が来たときには誰も避難しないという事態になりかねないのである。

 東北地方では、津波警報のたびに避難していては生活が成り立たないため、これまで多くの人が感覚を頼りに、自主的に「避難する」「避難しない」を決めてきた。
 今から約35年前、宮城県で東日本大震災に準じる大規模な地震(宮城県沖地震)が発生したことがある。今ほど津波警報のシステムは発達していなかったが、揺れのあまりの大きさ(震度6)に、沿岸部にいた人の多くが、自主的に着の身着のままで山の頂上まで避難した。

 太平洋沿岸部の住民は過去に何度も津波で尊い命が失われており、津波が危険なことくらい、NHKや気象庁に言われなくてもよく分かっている。何よりも求められているのは「正しい情報」であって、「情緒的なメッセージ」ではないのだ。その時点で得られるベストの情報を手に入れることができれば、住民は自身で判断し、的確に行動する能力を持っている。

 このことは、東日本大震災の発生直後、学校の不適切な指示で避難が遅れ、全校児童の7割が津波に飲み込まれて死亡した石巻市立大川小学校(写真)の事件においても証明されている。

 生徒の多くがこれまでに体験したことのない地震の揺れから本能的に危険を察知し、教師に対して山に登ることを許可してくれるよう哀願していた(マニュアルにないからと、学校側がそれを拒否したため結局津波に巻き込まれた)。また父母の何人かは、避難指示を出さない教師に業を煮やして学校に直接乗り込み、自分の子供を連れ出し、山に避難して子供の命を守った。
 判断能力がなかったのは、マニュアル以外の行動を取ると自分の責任問題になるとして、保身のことだけしか考えなかった一部の公務員だけであって、多くの人は状況を的確に判断していたのである。

 報道機関の役割は、国民を指導することでも、誘導することでもない。可能な限り「正しい情報」を冷静に伝えることが使命である。その情報をもとにどのように行動するのか決めることができるのは、国民自身だけである。このことを決して勘違いしてはならない。

 - マスコミ, 社会

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