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とうとう宇宙工学もコモディティ化?米国で政府の宇宙開発をアウトソースする会社が登場

 

 宇宙開発企業である米GoldenSpike社は6日、月への有人宇宙飛行事業を行うとを発表した。2020年をメドに2名の宇宙飛行士を月に送り、月面探査を実施するという。同社は宇宙飛行のプロジェクトをすべて営利目的の事業として実施することを想定しており、1回の費用について約15億ドル(約1200億円)と見積もっている。

 同社はNASA(米航空宇宙局)の科学ミッション局の責任者をつとめていたアラン・スターン氏らが設立した民間宇宙開発企業。シリコンバレーの著名な女性評論家で投資家でもあるエスター・ダイソン氏やかつて大統領候補でもあったニュート・キングリッジ氏などが参画している。

 同社の最大の特徴は、主な顧客として各国政府を想定しているということ。これまで民間の宇宙旅行会社は数多く設立されてきたが、そのほとんどが個人の富裕層を対象にした宇宙旅行サービスの会社であった。地球の周回軌道上での飛行を想定しており、コスト面の課題はともかくとして、技術的には容易に実現できるレベルのサービスといえる。
 だが同社は政府の宇宙開発ミッションのアウトソーシングというまったく新しいコンセプトを打ち出している。同社のスターンCEOによると、すでに中国などいくつかの政府と非公式に交渉を始めているという。

 このような企業の登場は、人類の宇宙開発が新しいステージに入ったことを意味している。これまでの宇宙開発は、国家がその威信をかけて行うものであり、コストを気にせず実施されてきた。
 だが先進国にとってもはや宇宙開発は当たり前の存在となり、徐々に中国、韓国、インドなど途上国が積極的に行うものに変わりつつある。一方で、宇宙での資源開発や素材開発など産業に役立つためのプロジェクトを実施するためには、現在のコスト水準では話にならず、革新的なコスト削減技術が求められている。要するに宇宙開発がコモディティ化してきたのである。

 同社では月への有人宇宙飛行を実現するには、80億ドル(約6500億円)程度の開発費が必要としている。だが一部の専門家からは、その金額では実現不可能ではないかとの声も出ており、事業が軌道に乗るのかは未知数だ。
 だがこれまで国家が独占してきた宇宙開発事業をアウトソースできる会社が出てきた意味は大きい。これまで多くのテクノロジーのコモディティ化が進んできたが、宇宙工学はその最後のフロンティアであるともいえる。同社の事業が軌道に乗った場合には、日本の宇宙開発プロジェクトにも少なからず影響を与えることになるだろう。

 - 社会, 経済

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