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敦賀原発が廃炉に?重大な結論を「空気」で決めるのは誰も責任を取りたくないから

 

 原発停止をめぐってまた茶番劇が繰り返されている。原子力規制委員会の調査団は10日に評価会合を開き、日本原子力発電敦賀原発2号機の直下にある断層について「活断層の可能性が高い」と結論付けた。同委員会の田中俊一委員長は「今のままでは再稼働に向けた安全審査はとてもできない」と述べ、敦賀原発の再稼働を容認しない意向を示した。日本原子力発電側が、活断層ではない明確な根拠を示せなければ、2号機は廃炉を迫られる可能性が高いという。

 現在の法体系では発電事業者に対して、運転停止や廃炉などを命じる法的権限はない。当然、原子力規制委員会にもそのような権限があるわけもなく、「廃炉にする」との意向を示した田中委員長の発言は完全に法を逸脱している。

 そもそも日本の土地は活断層だらけであり、多くの原発の地下に活断層があることは原子力開発をスターとする当初から指摘されてきた。専門家にとっては「何を今さら」(原子力技術者)というレベルの話である。
 もし活断層の存在を理由に原発を停止させるというのであれば、それは法に基づいて実施されなければならない。だが原子力規制委員会という法的権限のない組織に属する人物の個人的な意向で廃炉という重大な決断が進んでいく。

 法に基づかなかければ誰も責任を取る必要がなく、当事者達にとっては好都合だ。今回のような「空気」でものごとを決めていくやり方は日本社会でよく見られる光景であり、日本人の無責任体質をよく表している。太平洋戦争もまったく同じようなプロセスで進んでいったのだ(戦争の当事者達は戦後、口を揃えて自分は戦争に反対だったと言い訳している)。
 日本が法の支配に基づく近代国家とはみなされないのはこういったところに理由がある。これが米国なら、即座に議員立法で原発を廃炉にする法案が提出され、議論の末、正式に廃炉が決定されることだろう。ルールを定めてそれに基づいて行動を取ることで、最終的にその行動が正しかったのか歴史として検証されるのある。
 今回はたまたま原発の廃止なのだが、法に基づかず「空気」で物事を決めてよいなら、核兵器の開発でも人権弾圧でも何でも可能になってしまう。正規の手続きを経ない意思決定は、長い目で見れば、日本国民にとって原発事故よりも危険なことである。

 ちなみに、原子力規制委員会の田中委員長は東北大学工学部原子核工学科を卒業後、日本原子力研究所で原子力開発を行ってきた人物。典型的な原子力村の住人であり、日本の原子力開発を推し進めてきた張本人である。現在は原発停止のリーダーということらしいが、世間の雰囲気が再稼動に傾けば、今度は「安全だ」と言い出すのだろうか?

 - 政治, 社会

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