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北朝鮮が打ち上げた「銀河3号」と韓国のロケット「羅老号」はどう違うのか?

 

 北朝鮮が打ち上げた長距離弾道ミサイルについて、打ち上げプロジェクトは基本的に成功したとの見方が広がっている。ミサイルに搭載されているのが本当に人工衛星という可能性は低いものの、何らかの物体を軌道に乗せることには成功したと考えられるからだ。
 現在韓国は、自国では初となる人工衛星搭載ロケット「羅老(ナロ)」号の打ち上げプロジェクトを進めている。だが度重なる失敗でまだ打ち上げに成功していない。しかもナロ号のプロジェクトはロシアから技術や製品を導入して進められており、自国技術ではない。
 イランから技術協力を得ているとはいえ、自力でロケット技術を開発してきた北朝鮮は、韓国対して10年近く先行する形になった可能性が高い。

 北朝鮮が発射した「銀河3」号と韓国の「羅老」号はどのような違いがあるのだろうか?(写真右は羅老号、左は銀河3号)
 両者の全長は約30メールルでほぼ同じ大きさ。液体燃料を用いる点でも同じである。最大の違いは銀河3号は3段式だが、羅老号は2段式という点だ。
 ロケットは段数が少ない方が故障のリスクが小さくなるが、1段あたりの出力を上げなければならず、技術的課題が増える。このあたりのバランスをどう取るのかが重要なカギとなる。
 1段ロケットの推力は銀河3号は120トン、羅老号は170トンと羅老号の方がパワーがあるが、重量は銀河3号が90トン、羅老号が140トンと羅老号の方が重く、余剰推力という意味で両者に差はない。実際、今回軌道に投入された物体の重量は100kg程度と推定され、羅老号が搭載できる衛星の重量とほぼ一致する。

 大きく違うのは燃料の種類である。銀河3号はヒドラジンという猛毒の燃料を使っている。ヒドラジンは中国や旧ソ連のミサイルに使われた燃料で、常温で取り扱いができるという利点がある。だが防毒マスクなど完全防備で作業をしなければならず、腐食も激しいため危険度が高い。また事故が起こった場合の環境汚染もすさまじい。
 これに対してナロ号はケロシン(灯油)をベースにした燃料を使用しており安全性は高い。だが酸化剤に極低温の液体酸素を用いる必要があるため、取り扱いは大変だ。
 つまり、銀河3号は、既存の技術をベースに現実的な選択をしており、これが成功につながっていると考えられる。羅老号はより高い目標を持っているが現実的にうまくいっていないという状況だ。

 さらに重要なのが独自技術かどうかという点である。北朝鮮はイランから技術協力を得ているが、基本的に技術を独自開発してきた。これに対して韓国はロシアに開発をほぼ丸投げしており、韓国人がロケットに近づくことも禁止されている。極論すると、ロシアに打ち上げを外注しただけであり、独自の技術開発とはほど遠 い状況だ。

 北朝鮮は国民を飢えさせてもロケット(ミサイル)開発に資源を投入できる立場にあり、その点では韓国に不利な状況となっている。だが多額の資金を必要とするロケット開発を、現在の韓国の経済水準で実施するのはかなり無理があるのかもしれない。

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