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玄葉外相が、日本は韓国よりも米国から信頼されていると見苦しい自慢話を展開

 

 今回の北朝鮮のミサイル発射では、韓国側の情報が錯綜し混乱が見られた。この点について日本政府は「自分達は米国から確実な情報を得ていた」としており、米国と親しいことを披露するという見苦しい自慢話が展開されている。

 11日、韓国側政府は「ミサイルが撤去され発射は当面延期される見込み」と発表したが、実際には予備のミサイルで準備が進められ翌日には発射が実施されてしまった。産経新聞の報道によると、発射準備の最終段階に入り、米政府が韓国政府に対する情報提供を制限していたと日本政府高官が語ったという。
 また、玄葉光一郎外相は12日の記者会見で「情報を遮断された韓国とは異なり、日本政府には米側から時々刻々と発射施設の動きが伝わっていた」と説明した。発射台へのミサイル設置や取り外しなどの動向を韓国メディアが相次ぎ報じたことに米政府が不信感を持ち、韓国政府に対する情報提供を制限したためだという。

 日本や韓国は、ミサイル発射の準備状況や発射後の飛行ルートの確認といった情報収集のほどんどを米軍に依存している。日本は独自の軍事衛星を打ち上げているが、その解像度や衛星の数において米国とは比較にならず、独自で情報を収集できる体制にはなっていない。
 このため日本や韓国では、未熟なインテリジェンス能力に対するコンプレックスが激しく、記者会見では、自分達には情報収集能力があるのだという見苦しいアピールが繰り返されてきた。記者も発射の何秒後に探知したのか、その時首相は何をしていたのかなど、どうでもよい質問ばかり浴びせている。

 米側から情報を得ていたとする玄葉外相の発言も、この延長線上にあるものといえる。要するに「日本は韓国よりも米国に信頼されていて、秘密の情報を教えてもらえるのだ」という自慢である。
 このような状態なので、日本や韓国はいつまでたっても自国でインテリジェンス体制を構築することができない。情報収集能力において、米国と圧倒的な差があることは明白な事実であり、日本や韓国には独自で北朝鮮のミサイルに対処する能力はないのだ。政府だけでなく、国民も含めてその事実を冷静に受け止めることが、自国でインテリジェンス体制を構築する第一歩である。

 日本ではインテリジェンスというと何やら謎めいたイメージになっているようで、暗殺を行う特殊工作員を養成したり軍事衛星を打ち上げることがインテリジェンスだと思っているフシがある。だがインテリジェンス活動の95%は、新聞、テレビ、雑誌、公文書といった公開情報をコツコツと収集分析することであり、本当に地味なものだ。

 英国はインテリジェンス先進国として知られているが、ロイターやBBCの記者の中に多くの諜報部員が混じっていることは公然の秘密である。だが彼らは諜報機関から派遣されている特殊な人物ではなく、学生時代に諜報機関にリクルートされ、そのまま普通にBBCやロイターに就職したジャーナリストである。一生誰にも気付かれず、サラリーマンとしての人生を送るが、記者として得た公式、非公式の情報は英国のインテリジェンス活動の重要な情報源として活用されているのだ。

 衛星を使った分析や盗聴などによる非合法的な情報収集はインテリジェンス活動のごく一部にすぎない。立派な衛星があったところで基本的な情報収集、分析体制が構築されていなければ豚に真珠である。インテリジェンスの世界で弱点を見せることは最大の失態である。自国の情報収集能力があるのだとアピールしたいという精神的な弱さは、敵対する国家にとって最大のチャンスということを忘れてはならない。

 - 政治

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