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FRBが失業率ターゲットを導入。とうとう出口戦略が見えてきた?

 

 米連邦準備制度理事会(FRB)は12日、連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、量的緩和をさらに拡大することを決定した。また失業率ターゲットともいうべき目標値を定めることを明言し、中央銀行が失業率までもカバーする姿勢を明確にした。

 今回のFOMCにおいて緩和策が拡大されることは大方予想されていた。内容も長期国債を毎月450億ドル(約3兆7000億円)購入する施策を延長するというもので、事前予想の範囲内といえる。
 目新しい点は、事実上のゼロ金利政策を継続する目安を具体的に示したこと。声明では、事実上のゼロ金利政策について「失業率が6.5%を超え、インフレ見通しが 2.5%以内にとどまっている限り」継続するとしている。失業率という金融政策とは直接関係しない指標にまでコミットするのは異例であり、景気回復に対するFRBの強い意気込みを示すものとして理解されている。

 もっとも、FRBは悲壮な覚悟で失業率ターゲットを設定しているわけではない。米国の経済指標はこのところ順調に推移しており、とりわけ住宅価格の上昇が著しい。FRBのバーナンキ議長は米国経済の回復に強い自信を持っており、これまでゼロ金利政策を継続する目安としていた2015年までに失業率を6.5%以下にすることは、十分に実現可能と判断しているといわれる。

 もしそうだとすると、失業率のターゲットを示したということは、現在のゼロ金利政策をいつ終了するのかについて、バーナンキ議長がメッセージを出し始めたということになる。もしバーナンキ議長が予想する通り、米国経済が順調に回復し、失業率の低下が進めば、いよいよ株高と金利上昇が始まる可能性が高い。国際的なマネーの動きはドル回帰となり、日本は円安に向かい始めるだろう。

 このシナリオを成立するのかはまだ分からないが、少なくともバーナンキ議長の視線の先には確実にその景色が見えているようだ。

 - 経済

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