ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

米国で思いのほか銃規制が進まないのは、実は米国が安全な国になっているから

 

 米国コネティカット州で起きた銃乱射事件に関してオバマ米大統領は16日、再発防止に全力 を挙げる方針を明らかにした。民主党は銃規制法案を提出する考えを示しており、米国で再び銃規制の問題が議論される可能性が高くなってきた。

 米国はかなり以前から銃を所持する権利と規制をめぐって激しい議論が戦わされてきた。今回の事件では26人もの死者を出したことから社会的インパクトが大きく、これをきっかけに銃規制が一気に進むかとも思われるが、状況は必ずしもそうではないようだ。

 米国で銃規制が進まない理由としてよく言われるのが、建国以来続く自衛の伝統や全米ライフル協会をはじめとする銃推進団体の政治力である。だが銃規制が進まない理由は意外なところにあるとの見方もある。

 マスメディアでは、凶悪犯罪が増加しているような解説がなされているが、実は米国における犯罪発生率は着実に低下してきている。現在では欧州の半分程度の水準まで低下しており、米国は日本に次ぐ安全な国になってきている。国家が個人の自由を侵害することのリスクを考慮すると、わざわざ銃を規制する必要はないと考える米国人は多いのだという。

 全米では約3億丁の銃が存在するといわれており、1人あたり1丁保有している計算になる。だが実際に銃を所有している世帯は3分の1以下といわれており、特定の世帯が多数の銃を集中して所有していることが伺える。また銃の所有は地域差が大きく、南部の方が所有率が高いとされている。ルイジアナなど殺人事件の発生率が高い州が南部にはいくつか存在しているが、テキサスなどは平均的水準だ。犯罪発生率は所得水準との関係が大きく、銃所有との関係が明確になっているわけではない。

 結局のところ、安全な生活を送っている米国人の方が圧倒的に多く、今回のような悲劇的な事件が起こっても、時間が経つと忘れてしまうというのが現実のようである。
 思いのほか米国で銃規制が進まない原因が、米国が安全な国になっていることなのだとすると、それはそれで喜ばしいことなのかもしれない。

 - 政治, 社会

  関連記事

hasimoto2
橋下氏が自民憲法草案に懸念表明。今こそ議論すべき「法の支配」と「法による支配」の違い

 日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は5月12日、自民党の憲法改正草案について …

no image
習近平副主席がクリントン長官との会談をドタキャン。

 中国の次期最高指導者に内定している習近平副主席が、中国を訪問中のクリントン国務 …

tpptaikou
バラマキにすらなっていない。官庁や独法の予算配分に終始したTPP大綱

 政府は2015年11月25日、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)に関する政 …

lenovo
米国政府が中国製ITシステムの調達を制限。ただし完全な実施は困難との見方

 米国で中国製ITシステムの政府調達を制限する法律が成立した。3月26日に成立し …

marugen
丸源ビルのオーナーが検察を徹底批判。死んだら全財産を国に寄贈の考えは変わったか?

 銀座などの歓楽街で「丸源ビル」を展開する不動産グループの経営者で、脱税容疑で逮 …

taiwangakusei
様変わりする台湾の民主化運動。背景には中国の台頭と米国政治の変質がある

 台湾で中国との経済協定に反対する学生が立法院(国会)を占拠している問題は、いま …

baxter2
ルンバの開発者が画期的な単純労働ロボットを開発。日本の製造業は壊滅の危機?

 お掃除ロボット「ルンバ」を開発した米国のロボット技術者ロドニー・ブルックス氏が …

b29
太平洋戦争に投入された戦費は天文学的数字。すべては日銀の国債引受で賄われた

 太平洋戦争の終結から68年が経過した。太平洋戦争の政治的、外交的な背景や経緯は …

nodae02
野田首相が最悪のタイミングで解散を決断。憲政史上もっとも幼稚な解散の一つに

 首相の解散権は「伝家の宝刀」と呼ばれ、首相の専権事項であり、首相の権力の源泉で …

maotai
中国共産党が腐敗撲滅の徹底を宣言。これを受けて酒造会社の株価は軒並み暴落!

 中国共産党の習近平総書記は22日、党中央規律検査委員会全体会議で演説し、高級幹 …