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エアアジアが就航わずか4ヶ月で社長交代。日本でLCCがうまくいかない本当の理由

 

 全日空系の格安航空会社(LCC)エアアジア・ジャパンは17日、岩片和行社長が辞任し、小田切義憲取締役が新社長に就く人事を発表した。同社は今年8月に就航したばかりで、わずか4ヶ月での社長交代となる。岩片氏は代表権のない会長に退く予定。

 エアアジアはマレーシアに本社を置くアジアの格安航空会社であるエアアジアと全日空の合弁企業。岩片前社長は全日空の出身で国際業務室長から同社社長に転じた。

 同社は現在、成田空港を拠点に国内線3路線、国際線2路線の運行を行っている。11月までの全路線の平均搭乗率は65.4%で、目標の80%に届いておらず、搭乗率低迷の責任を取って辞任したものとみられる。

  日本ではここ1年のあいだに、エアアジア、ピーチアビエーション、ジェットスターと格安航空会社が相次いで登場した。だがLCCが世界的に注目され始めたのは15年以上も前のことであり、日本は完全に取り残されていた(唯一スカイマークが16年前にLCCとしてスタートしたが、日本ではあまり受け入れられなかった)。
 ここ10年の間に、米国、欧州、アジアにおいて格安航空会社が急成長し、大手航空会社の経営を脅かし始めた。ここにきてようやく日本の航空会社も脅威を感じ、慌てて子会社として参入したというのが実態である(上記3社はすべて日本航空と全日空のグループ会社である)。
 海外のLCCの多くはベンチャー企業であり大手と競合するビジネスモデルなので何の問題もないが、日本のLCCは、自身が業績を伸ばすと親会社の経営を圧迫するという根本的な矛盾を抱えている。このため、日本のLCCの展開については、多くの市場関係者が懐疑的な目を向けていた。

 エアアジアの業績不振は、この懸念がまさに現実化したものといえる。成田-韓国が980円といった派手なキャンペーン価格が目を引くが、実際の運賃はそれほど安いわけではなく、7000円~30000円程度だ。大手でも格安チケットを探せば30000円前後のものはいくらでも見つかることを考えると、それほど安い価格設定とはいえない。大手よりも不便でサービスが悪いLCCは、びっくりするような低価格でなければ顧客が選択するはずがなく、同社の搭乗率が悪かったのはむしろ当然といえるだろう。

 ではどうしてこのような高い価格設定になってしまうのだろうか?ひとつは親会社との関係である。同社が破格の値段を提示してしまったら、親会社の全日空から顧客を奪ってしまう。両社は棲み分けできると主張しているが、それを信じる人は少ない。
 もう一つは日本の航空行政の問題である。空港の着陸料をはじめ日本の施設利用料は国際的に見て突出して高い。空港関連施設が官庁の利権になっており、価格を下げることができないのである。航空会社にしてみれば、どんなにコスト削減の努力をしても、コストのかなりの部分を占める施設利用料が安くならなければ、運賃を下げることができない。
 エアアジアでは情報を開示していないが、諸外国のLCCと比較すると、同社の運行コストは1.5倍以上高いと推定される。そもそも「破格の安値」を設定すること自体が不可能なのである。

 日本の航空市場、航空行政はまさにガラパゴスの典型である。このような状況が抜本的に解決されない限り、日本でのLCC経営はうまくいかないだろう。結局犠牲になるのは、諸外国に比べてバカ高い運賃を強要される日本の消費者である。

 - 経済

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