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白川総裁も脱力?大企業の社長さん!成長戦略の意味を根本的に誤解してませんか?

 

 総選挙の結果をうけて日本経済新聞が実施した大手企業経営者に対するアンケート調査で、目を疑うような結果が出ている。自民党政権に対する期待としてもっとも大きかったのは、本来民間企業の役割であるはずの「イノベーションと新産業創出」であった。

 アンケートは17日に実施。137社のトップから回答を得たという。新政権が取り組むべき政策課題を順位をつけて3つ挙げてもらい、1位は3ポイント、2位は2ポイント、3位は1ポイントとして集計した。この結果、新産業創出やイノベーションといった「成長戦略の推進」が198ポイントで最多となった。2位は「円高是正」(145ポイント)、3位は「環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加など通商・貿易振興策」(94ポイント)だった。

 これは驚くべき結果である。経済政策や金融政策にはある大前提が存在している。それは「原則として政府にはイノベーションや新産業の創出を行う能力はない」というものである。経済学においてイノベーションというものは、リスクを取る主体である民間企業でしか実現できないと理解されている。政府は減税や規制緩和によって企業の競争を激化させ、イノベーションの出現を側面支援することしかできないのである。

 これは日銀の白川総裁も、繰り返し説明していることであり、金融政策の基本中の基本ともいうべきテーマである。どんなに政府や日銀が経済政策や金融政策を実施しても、経済成長の原動力となるイノベーションは民間企業にしか実現できないのだ。
 白川総裁は「最終的には企業がイノベーションを起こし競争力を付けなければ経済成長は実現できない」と会見のたびに、しつこいくらいに力説している。
 だがアンケートに答えた大手企業の経営者の多くは、自分達の最大の役割であるイノベーションについて、何と政府に期待しているというのである。いってみれば職務放棄であり、こんな状態では日本経済がいつまでたっても浮上できないのは当たり前である。
 
 もちろんこの結果はアンケートの質問方法にも多少の問題があるのかもしれない。だが大きなトラブルもなくアンケートが回収されているところを見ると、「イノベーションは政府の役割」という概念に一定のコンセンサスがあるように思われる。

 もし大手企業の経営者の多くがそのように考えているのだとすると、政策決定会合のたびに金融政策の説明を行っている白川総裁の発言内容は、ほとんど日本の経営者には理解されていなかったということになる。
 双方がまったくコミュニケーションできていない状態で、日銀に緩和圧力がかかっていたのだとすると、それは一体何だったのだろうか?

 - 政治, 経済

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