TVの収録中にケガをする若手芸人が続出。背景にはTV局の構造的問題が
このところTVの収録中にケガをする若手芸人が増えてきている。
2月にはお笑いこんび「ずん」の「やす」が、「とんねるずのみなさんのおかげでした」(フジ)の収録中、ゴムボートでスキー場滑っている最中に事故を起こし、腰椎破裂骨折で6ヵ月仕事を休んだ。
4月には「ブラックマヨネーズ」の「小杉」が、「宝探しアドベンチャー 謎解きバトルTORE!」(日テレ)の収録中、全治8週間のケガを負った。さらに8月には「スギちゃん」が「クイズプレゼンバラエティー Qさま!!」(テレ朝)の高飛び込みの企画で全治3ヵ月のケガを負っている。
背景にあるのは、制作費の激減。インターネットの普及に景気低迷が追い討ちをかけ、TVの広告収入は下がる一方。そのしわ寄せは製作現場に行く。
制作費が削減されているにも関わらず、相変わらずマス層に受ける大型番組を作らなければならない制作サイドは、どうしても体を張る安易な企画に走りがち。
TV局は社員の高給を維持するために、芸能人のギャラや下請けの制作会社に支払う制作費の削減を以前から進めてきた。だがそれも、限界にきている。
限られた電波を政治的に独占し、マス向けの番組を垂れ流す現在のTV局のシステムは構造的に破綻している。
もし規制が緩和され、TV事業への新規参入が増えれば、低予算なりに面白いニッチなコンテンツがたくさん生まれるはずだ。マス向けコンテンツはお金をかけなければ面白いものは作れないのが宿命である。だが時代は変わり、日本は成熟した。限られたマス向けコンテンツだけで国民が満足する途上国の時代はとっくに過ぎ去ったのである。
TV局は歴史的にその役割を完全に終えた。
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