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フランス人は決して謝らない。オランド大統領がアルジェリアを訪問するも謝罪要求は一蹴

 

 フランスのオランド大統領は独立50周年を迎えるアルジェリアを訪問し、フランスによる約130年の植民地支配について「野蛮で不公平なものだった」と述べた。だがアルジェリア側が期待していた謝罪は一切行われなかった。

 フランスはアルジェリアを長期間植民地として統治してきた歴史がある。欧米の大国が植民地を保有していたこと自体はあまり珍しいことはでないが、フランスが特殊なのは、第二次大戦後、英国をはじめとするほとんどの大国が植民地を放棄する中、従来型の植民地の維持にこだわってきた点である。

 結局、アルジェリアは1962年に独立戦争の末、フランスから独立。ベトナムも独立戦争(インドシナ戦争)によって1954年に独立ており、フランスは不本意ながら主要な植民地を失う形となった(ちなみにフランスは南米の仏領ギアナ、南太平洋のタヒチなど、いまだに植民地を維持している)。
 アルジェリア独立戦争の際には、フランス側がアルジェリア人を大量虐殺したといわれているが、驚くべきことに、虐殺はアルジェリア国内だけで行われたのではなく、パリ市内でも実施された。1961年、パリ市内においてアルジェリア支持を訴えるアルジェリア人のデモ行進をフランス治安部隊が弾圧。少なくとも200人が橋から放り投げられたり、銃殺、撲殺されたといわれている。戦前の話ではない。1961年のことである。

 このため、アルジェリアとフランスには大きなしこりが残っており、今回の訪問では何らかの謝罪の言葉が期待されていた。だがオランド大統領は「悔恨や謝罪を表明するために来たわけではない」と言い放ち、謝罪は一切行わなかった。
 フランス国内の世論でも謝罪の必要はなしとの意見が多い。フランスのメディアも、大統領訪問に際して見解を表明しているが、そこでに決して謝罪をしないフランス人の姿勢がよく表れている。
 その内容はというと、「悔恨は個人がすべきもので、国家がすべきものではない」「フランス人は常にアルジェアの未来について考えている」という、言い訳とも開き直りともつかないものばかりだ。

 だが現実問題として、国際社会において国家以上の存在はなく、国家が謝罪を拒否すれば、それを解決する手段は最終的には戦争しかない。フランスの軍事力と経済力がアルジェリアを圧倒している以上、アルジェリアには謝罪を強要する手段がないというのが現実なのだ。決して謝罪しないフランスの姿勢は、国際社会におけるパワーゲームの現実をよく表している。

 - 政治

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