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安倍総裁が景気が悪い場合の消費増税中止を示唆。狙いは予算バラマキの継続的な拡大

 

 自民党の安倍総裁は、2014年4月に実施される消費税増税について、GDPの数字が悪い場合には、増税を実施しない可能性を示唆した。21日のTV番組で自民党の甘利明政調会長が明らかにした。

 甘利氏によると、安倍総裁は消費税増税の条件となっている2013年4~6月期の実質GDPの数値が良好であっても、その後が悪くなれば緊急停止する可能性があることを財務省に伝えているという。一時的に景気回復してもその後悪化すれば消費税率の引き上げを見送る可能性を示唆したことになる。

 この発言は、安倍政権が国民感情に配慮し、景気回復が鮮明にならない限りは消費税増税を行わない意向を明らかにしたと理解されている。だが本当の狙いは別なところにある。安倍氏が国民に向けて述べたのではなく、財務省に対して話をしているということがミソだ。
 この背景には、公共事業の拡大を当面の間継続したいという自民党の意向がある。今回の総選挙では自民党の圧勝に終わったが、そこには自民党の伝統的な組織票が大きく貢献している。選挙に貢献した支持母体に対して公共工事の拡大で報いる必要があり、自民党にとっては予算拡大は絶対条件なのだ。

 一方財務省は消費税は増税したいが、国債の増発は何としても避けたいというのがホンネ。安倍政権は10兆円規模の大型補正予算と来年度予算編成の規模拡大について、財源の裏づけがないまま実施しようとしている。財務省がこれに抵抗していないのは、来年以降の景気が上昇しないと悲願の消費税増税が実現しないからである。
 大型の予算編成でGDPの数字を無理やり浮上させ、消費税増税を実施してしまいたいのだ。財務省は消費税増税さえ実現できれば、不況になろうが知ったことではない。むしろ国債の増発を抑制したいという意向が強く働くことになる。
 自民党としては、消費税増税に目処がついた途端に、財務省が歳出抑制に走ることについて、クギを刺しておきたいのである。

 安倍政権を構成するメンバーは前回の安倍政権と似通っているが、実施するであろう政策はまったく正反対となるだろう。典型的な従来型自民党政権であり、大型予算によるバラ撒き型政治となる可能性が高い。
 公共工事の拡大はある程度GDPの上昇に貢献するかもしれないが、日本経済の根本的な処方箋にはなりえない。財政赤字の拡大という日本の時限爆弾はさらに危険度を増してくる可能性が高い。

 - 政治, 経済

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