ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

松井証券がとうとう金利も手数料もゼロ円という自爆価格を設定。どうやって儲けるの?

 

 信用取引に関する来年1月の規制緩和をうけて、ネット証券業界では自爆テロともいえる安値競争が始まろうとしている。
 12月6日に松井証券が打ち出した新しい料金体系は業界を驚かせた。1回当たりの信用取引額が300万円以上の日計りの信用取引の場合には、金利や手数料がすべて無料になるというのである。

 今回の信用取引に関する規制緩和は、1日あたりの取引回数を事実上無制限にするというもの。これまで信用取引の際に提供した証拠金は再利用できず、1日に何回も取引するためには、その都度、証拠金を用意しなければならなかった。だが今回の規制緩和でその制約がなくなり、1回の証拠金の提出で何度も取引ができるようになる。
 松井証券ではこれに合わせて、高額取引を行う顧客については、手数料と金利のすべてを無料にするという。
 だが業界関係者の多くは、今回の松井の決断について、「下手をすると業界の自爆テロにも繋がりかねない」(ネット証券関係者)と危惧している。

 日本の株式市場は低迷が続いており、個人投資家の売買代金はリーマンショック前の半分以下まで落ち込んでいる。中堅証券会社の中には事業を継続できず廃業するところも多い。唯一、お金を落としてくれる顧客は、1日に何度も取引を繰り返すデイトレーダーで、かつ投資金額が大きい投資化である。各証券会社とも、こういったごく一部の顧客で収益のほとんど稼ぎ出しているのが実情だ。
 だが松井証券の新しい価格体系では、こういった大口顧客が無料の同社に殺到してしまう可能性が高い。他社は松井に顧客を奪われ、一方の松井は顧客が増えても収益を増やすことができない。完全に生きるか死ぬかの消耗戦に突入することになる。

 松井証券の松井社長は、2012年の5月には、経済誌のインタビューに答えて「もう安売りの時代ではない」と付加価値を強調していたが、発言とはまったく逆に、さらなる安値競争のきっかけを作ったことになる。ちなみに同社では「他の部分で儲ける」(松井社長)としているが、具体的な収益源については明言していない。

 - 経済

  関連記事

kurodasosai
トランプ氏の当選で日米金利が急上昇。シナリオが狂ってしまった日銀

 トランプ大統領の誕生をきっかけに、日米の債券市場で金利が急騰している。米国はす …

abekeizai201311
政府税調が法人税改革の原案を提示。減税先行で財政再建が遅れる可能性も

 政府税制調査会は2014年5月16日、法人税課税の専門委員会において法人税改革 …

kaisatu
イマドキの新社会人の価値観は、実はバブル世代上司とそっくり

 人並みに働けば十分と考える新入社員が過去最高水準になったことが、日本生産性本部 …

shutoko
笹子トンネル事故が、抑制されてきた公共事業再開の大義名分になる可能性

 中央自動車道の笹子トンネル事故をきっかけに、これまで抑制されてきた公共事業がな …

bukkajoushou
物価上昇は鈍化しているが、現実には値上げが進行。4~6月期GDPにも悪影響か

 総務省は2015年7月31日、2015年6月の消費者物価指数を発表した。代表的 …

sonmasayosi
ソフトバンクが連続して大型買収に踏み切ったのは、前回の買収を成功させるため?

 ソフトバンクが米携帯電話4位のTモバイルUSを約2兆円で買収すると報道されてい …

meti03
政府がM&A活性化で会計基準変更を示唆。だがこれは問題の本質ではない

 政府が企業のM&A(合併・買収)を活発化させるため、日本の会計基準を改 …

tosho02
上からの改革でROE向上を掲げる企業が急増。そのシワ寄せはどこに?

 ROE(株主資本利益率)の向上を経営目標に掲げる企業が急増している。これまで日 …

hp
パソコン終焉の象徴。HPが1兆円の巨額赤字を計上。不正会計が理由にあらず

  米コンピューター大手ヒューレット・パッカード(HP)が巨額赤字を計上した。2 …

soros
ソロス氏がまたまた大儲け。ウォール街の鬼門といわれた円安で大勝利

 米国の著名投資家であるジョージ・ソロス氏が、昨年11月からの円安で巨額の利益を …