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もはやゴミ箱?産業革新機構が今度は爆発事故の前歴があるソニーの電池事業を救済

 

 ソ ニーが政府系ファンドの産業革新機構と電池事業の売却交渉に入った。22日の日本経済新聞が報じている。産業革新機構は今月10日、ルネサスエレクトロニクス救済のために約1400億円の第三者割当増資の引き受けを発表したばかり。産業革新機構は、イノベーションに対して投資するという当初の目標とは正反対に、ダメになった日本メーカーの事業を引き取るゴミ箱のような存在になりつつある。

 ソニーの電池事業は90年代初め、世界ではじめてリチウム電池を実用化するなど、同社の中核事業の一つであった。だが95年に同社傘下の郡山工場が原因不明の爆発事故を起こすなど、その技術力には疑問の声が上がっていた。最近ではサムスンなど韓国勢との競争が厳しく苦戦が続いていた。

 2012年3月期の同事業の売上高は約1425億円で従業員数は約2700人。同社は電池事業を完全に切り離す案のほか、持ち分を一部残す案なども検討しているという。

 今回の産業革新機構の決定は、ルネサスと同様、競争力がなくなった国内メーカーを救済するだけの措置でしかなく、市場では同機構に対する疑問の声がさらに高まってきている。

 産業革新機構は、オープンイノベーション(従来の業種や企業の枠を超えてチャレンジをすること)により次世代の国富を担う産業を創出するという目的で、政府が1兆円もの保証枠を設定してスタートした官製ベンチャーキャピタル。破綻企業を再生する産業再生機構や企業再生支援機構とは異なり、成長著しいベンチャー企業に対して投資をすることがその目的である。

 だが同機構が実際に投資をしてきたのは、オーストラリアの水事業会社やチリの水道会社など、日本のイノベーションを牽引するという理念とはほど遠い企業ばかり。途上国に対する経済援助のような投資ばかりが多いと批判されると、今度はルネサスに代表されるような経営破たんした企業の救済投資にまい進している。

 同機構が意味不明の投資を繰り返している理由は簡単だ。現実問題として日本には、イノベーションを引き起こすようなベンチャー企業が存在しないのである。日本にはすでに多くの民間ベンチャーキャピタルが存在している。彼ら血眼になって案件を探し回っても、優良な投資先が見つからないのである。官製ベンチャーキャピタルがしゃしゃり出てきたところで、新しい案件など見つかるわけがない。
 だが役所の事業は一度始まったら、ストップすることはない。自らの存在を自己目的化し、延々と増殖を続けていく。日本メーカーの本当の危機はこれから本番である。今後次々と破綻事業が出てくる可能性が高い。産業革新機構は当分の間、増殖を続けていくことだろう。

 - 経済, IT・科学

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