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心の病で休職する教員は民間企業の倍近く。教師の適性に問題があるのでは?

 

 文部科学省は24日、2011年度において心の病で休職した教員は5274人だったと発表した。総数は2年連続で減少したものの、10年前の約2倍という高い水準が続いている。同省では「保護者との関係の悩みなどを同僚や上司に相談しに くい状況が依然あるのではないか」と分析している。

 調査の対象となったのは、全国の公立小中高校と特別支援学校、中高一貫校の教員約92万人。心の病による休職は2011年度の5407人から133人減って5274人であった。教師全体の割合は0.57%ということになる。
 ちなみに財団法人労働行政研究所が2010年に民間企業を対象に行ったメンタルヘルス調査によると、1年間に心の病で休職した社員の割合は全産業で0.45%、大企業では0.32%であった。調査方法が異なるので単純には比較できないが、教師が心の病になって休職する割合は民間企業よりも圧倒的に高いことになる。
 しかも0.45%という数値は過酷な職場環境であることが推定される零細企業も含めた数値であり、待遇面で教師に近いと思われる従業員1000人以上の企業(0.32%)と比較すると、教師の休職率の高さが際立つ。

 公立学校の教師は公務員であり待遇は極めて高い。それにも関わらず休職率が多いというのは、学校という職場がブラック企業並みに異常な状態か、適性のない教師が多いのか、あるいは教師が甘やかされた環境にあるのかのいずれかである。ちなみに、年齢別の休職者を見てみると、50代以上が最多で2037人と約40%を占めている。続いて、40代の1712(32%)、30代の1103人(21%)、20代の422人 (8%)と、年齢が下がるにしたがって休職者が激減している。これは休職者の多くが20代に集中する民間企業とは正反対の結果になっている。

 通常、こういった心の病は若い世代が多い。学生時代とは環境が一変し、社会人としての生活に順応できない人が一定数いるからである。だが年齢が上がるにしたがって、その数は減っていくのが普通だ。だが教師の場合にまったく逆の結果が出ている。学校がブラック企業ならば、すべての年齢層において休職者が出てくるはずである。中高年の教員に休職者が多いのは、社会の変化に適応できない教員が増えていることが原因と考えられる。

 民間企業の場合には、社会の変化に対応しないとつぶれてしまうので、競争によって常に適性のある人材が登用される。だが、公務員の世界は多くの場合、社会から隔絶されており、社会の変化の影響を受けることがほとんどない。このため適性が合わなくなるということがない。
 だが教員は他の公務員ほどの特権はなく、児童生徒や父母を通じて社会の変化に直接晒されてしまう(父母にとっては自分の子供の将来がかかっている。一般的な行政窓口では公務員の無責任さに怒っても多くは時間のムダと諦める。だが学校においてはそうそう簡単には引き下がらない)。 だが民間企業と同じような競争原理は働いていないため、結果として適性のない教員の存在が顕著になってしまうのだ。

 文部科学省では以前から適性に問題のある教員を辞めさせる制度の導入を図っているが、日教組の猛反発で思ったように進んでいない。適性のない教員がいつまでも公立学校の教壇に立てる仕組みを続けている限り、「お受験」に代表されるような異様な風潮はなくならないだろう。

 - 政治, 社会

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