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避難場所の3割に津波。自分の身は自分で守るという意識こそが地域の安全を高める

 

 内閣府が東日本大震災の被災者に対して行ったアンケート調査で、自治体が指定する避難場所に津波が押し寄せたケースが3割にも上ったことが明らかとなった。また津波が来ると強く意識した人ほど避難を早く開始し、結果的に安全な場所から津波を見ていたことも分かった。
 自治体などの情報をあてにせず、自身の安全は自身で守るという意識が高い人ほど、被災するリスクが少なくなるという事実が浮き彫りになった。

 この調査は岩手、宮城、福島県内の津波浸水地域27市町村の居住者1万3646人を対象に行ったもので、1万1400人から回答を得た。

 それによると、地震の発生後、津波から避難した人は全体の80%近くに当たる8500人だった。「最初に避難しようとした場所」は、「市町村が指定した避難場所」が37%で最も多く、続いて「高台」が36%、「親戚や友人、知人の家」が9%だった。

 また市町村が指定した避難場所(学校など)に避難した人の24%が、同じく市町村が指定した避難場所(避難ビル)に避難した人の30%が、避難場所にも津波が迫り再び避難を余儀なくされている。

 地震の揺れが収まった直後から避難を開始した人の40%が安全に避難することができているのに対して、すぐに行動を起こさなかった人が安全に避難できた割合は20%と半分以下であった。すぐに避難しなかった理由でもっとも多かったのは「避難指示がなかったから」というもので3割以上を占めている。「迷っていた」といのも含めると約半数になる。上からの指示待ちの人ほどリスクが高いことが分かる。

 このアンケート結果は、自治体など公的機関の災害対策がいかにあてにならないかを示している。震災後にはコンビニや大手スーパーなど民間企業が迅速に対策チームを組成し、食料などの供給を行ったのに対し、危機対策が本来の職務であるはずの自治体の対応はずさんなものであった。
 宮城県石巻市の小学校では、信じられないような事故も起こっている。本能的に危険を察知した児童が、教師に対して山に登ることを許可してくれるよう哀願したにも関わらず、マニュアルにないからと教師がそれを拒否。結局津波に巻き込まれ全校児童の7割が死亡したのである。

 災害が起こるたびに、政府や自治体の対応はどうなっているんだ?という大合唱になる。だがそういった「お上」に依存する体質そのものが、官公庁のずさんな災害対策の元凶なのだ。

 仙台市内に住むある男性は、35年前に発生した宮城県沖地震(震度6)の際、電車に乗っており、海岸付近を走行中であったという。宮城県沖地震は今回の震災にも匹敵する地震で、その揺れはすさまじかった。電車が非常停止したのち、線路に下りた乗客は皆、津波の危険を感じ、近くの山に泥だらけになりながら登ったという(結局津波は来なかった)。地震と同時に停電しており、避難指示が受けられる環境ではなかったが、皆自主的に行動していたという。
 この男性は今回の地震では津波の範囲外の場所で被災しており無事だったが、津波に飲み込まれたエリアにいれば、やはり誰の指示がなくても自主的に避難しただろう。

 民主国家においては、国民以上の能力を持った政治家や公務員が出現することはあり得ない。多くの国民が、自分の身は自分で守るという意識を持った時、逆に自治体の災害対策は完璧になるだろう。
 自分の身は自分で守るという意識のない人に、避難が物理的に困難な社会的な弱者をどう避難させるかなど、思いつくはずもないのだから。

 - 政治, 社会

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