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フランス政府がネット企業が保有するビックデータに課税を検討。だが実現は懐疑的?

 

 フランス財務省は、GoogleやAmazonなどグローバルに展開する米国のネット企業に対する課税強化を検討している。ネット企業が収集した個人情報について、何らかの課税措置を実施する案が有力だが、具体的な内容はまだ固まっていない。

 米国の有力ネット企業は世界各国で事業を行っているが、多くの国で税金を支払っていない。各国の法律を調べつくし、法の抜け穴をうまく見つけ出しているのだ。英国では議会が税務当局に対して、これらのグローバル企業への査察方針を変更するよう声明を発表した。日本においてもAmazonが消費税を支払っていないという問題が表面化したことがある。

 欧州では1990年代初頭、インターネット取引に対する課税を検討したことがあるが、弊害が大きく実務上の困難として導入を見送った経緯がある。インターネット税の導入によって、ネット社会の発展が妨げられることを危惧したためである。
 結果としてインターネット社会は一気に発展したが、その中心に位置しているのはすべて米国企業という皮肉な状況になってしまっている。欧州危機によって各国政府は財源確保に苦慮しており、ここにきて課税実施の声が大きくなってきている。

 だが前回の検討時と同じく、ネット企業に対する課税強化については懐疑的な見方も多い。バーチャルに展開するネット企業に対して課税の根拠を明確に示すことは現実的にはかなり難しい。技術やサービスが次々に新しくなるため、法体系が追いつかないという問題もある。またネット企業に対する課税が、ナショナリズムを煽る政治家の人気取りに使われている点も、実現性に疑問符がつく理由のひとつになっている。
 フランスでは、Googleは新聞社のコンテンツをタダ乗りしているとして、検索結果の表示に課税する法律が検討されている。だが、内実は見出しに対する利用料が欲しいマスコミ業界の意向を受けたものであり、どこまで本気で課税を検討しているのかは怪しい限りだ。

 フランス政府はすでに、デジタル課税に関する調査を開始しており、2013年はじめには何らかの調査結果が報告される予定。財務省としてはその結果を見て、具体的な施策の検討に着手するとしている。

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