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生活保護が4月から減額の可能性。だが実態はただのスタンドプレーで根本解決にはならず

 

 生活保護の給付が来年4月から減額される可能性が高まってきた。田村憲久厚生労働相は27日の記者会見で、生活保護について「下げる方向で議論している」と述べ、就任時に表明した「最大1 割減」に意欲を示した。

 生活保護は大きく分けて、生活扶助と医療扶助の2つで構成されている。このうち生活扶助は食費や光熱費など日常的な生活にかかる費用を支援するもの。60歳以上の単身世帯では月額約6万2千~8万円が支給されているが、 一般低所得者の生活費を上回っていることが指摘されていた。
 一方、現在全額公費負担となっている医療扶助(医療費)については今回は削減を見送る方針。

 ただこの措置の現実的な効果には疑問符が付く。生活保護費の国庫負担は年間約2.8兆円。このうち生活扶助は約1兆円しかなく1割減を実現しても削減額は1000億円程度、生活保護費の大幅削減にはほど遠い状態だ。
 また医療扶助に手を付けるとなると、より安価な後発医薬品(ジェネリック医薬品)の服用義務を導入する必要が出てくるなど、いろいろとやっかいな問題も浮上してくる。

 このところ生活保護に対しては、不正受給問題をきっかけに一部の国民から強い批判が浴びせられてきた。今回の措置は、自民党政権がこれらの批判に応えていることをアピールするためのスタンドプレー的な意味合いが強いといえる。

 日本の生活保護制度にはいろいろと問題があるのは確かだが、その給付水準が高いことが問題なのではない。満額受給出きるか出来ないかという二つに一つしかないという硬直化した制度運用や特定の人に不正受給が多いといった運用の不公正さの方が問題としてははるかに大きいのだ。
 貧困のレベルに応じて段階的に給付できる制度に変更すれば、低所得者の年収を生活保護者が上回るという事態はかなりの割合で回避できる。また、不正受給がなくならない背景には、実は公務員制度の問題が横たわっているのだ。

 こういった本質的な問題を避け、枝葉末節の施策だけを繰り返していては、生活保護問題を抜本的に解決することなど到底不可能である。

 - 政治, 社会

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