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ロシアで米国人との養子縁組が禁止に。人権抑圧国家ロシアの恐ろしさ

 

  人権抑圧国家であるロシアの恐ろしさを象徴するような出来事が起こっている。ロシア上院は26日、米国人がロシア人の子どもを養子にすることを禁止する法案を可決した。28日にはプーチン大統領がこれに署名し同法案は成立した。

 この法律は、米議会が可決しオバマ大統領が署名した「マグニツキー法」に対する報復措置。同法は、人権侵害に関与したロシア当局者の米国への渡航を禁止したり金融取引の規制を実施するためのもの。ロシア国営企業の不正を告発した報復として、身に覚えのない罪で逮捕され、拘留中に拷問の末死亡したロシアの弁護士マグニツキー氏にちなんで命名された。

 ロシアには100万人にものぼる孤児がいるといわれているが、そのかなりの割合が障害を持つ子供である。つまり、親が死亡してやむなく孤児になったのではなく、親の意思で障害児を捨てているということになり、ロシアのうす暗い社会の一面を伺わせる。これらの孤児の多くが、米国人による養子縁組によって救われており、同法案の成立によって、多くの孤児が行き場を失ってしまうことが懸念されている。

 ロシア側は今回の措置について、マグニツキー法に対する報復としているが、実際は違う。ロシアから子供を引きとることを希望する米国人の数はたかが知れており、法律でそれを制限したからといって米国が打撃を受けることにはならない。むしろプーチン大統領らが意図しているのは、ロシア国民に対して恐怖心を植えつけることである。

 国営企業の不正を告発したマグニツキー氏に対する激しい拷問や今回の立法措置は、反政府的な活動をすると、どういうことになるのかについての「見せしめ」というわけである。ロシアはプーチン大統領が一種の恐怖政治を行っており、こういった事例が後を絶たない。国民の一部からは、共産党政権時代の方がよほど人権が保証されていたという皮肉な意見も出ている。

 ロシアは恐ろしい国であるということがあらためて認識させられる事件だが、日本人は対岸の火事としてこれを他人事のように眺めていられる状況ではない。
 確かに死に至るような拷問などは行われていないものの、見せしめ的な逮捕がしばしば行われたり、罪刑法定主義がないがしろにされるなど、法の支配がきちんと確立されていないという意味では、日本はロシアや中国に近い存在なのである。日本も厳密な意味では、民主国家とはみなされていないのだ。日本人はそのことをよく理解しておく必要がある。

 - 政治, 社会

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