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オバマ次期政権で米国はまったく新しいリベラル国家に。日米安保は終わりの始まりか?

 

 2期目を迎える次期オバマ政権の基盤がより強固になる可能性が高くなってきた。クリントン国務長官の後任に、大物上院議員のケリー氏が内定したのに続いて、国防長官にチャック・ヘーゲル元上院議員が就任する公算が高くなっているからだ。

 チャック・ヘーゲル氏は12年間上院議員を務めた人物で、何と共和党員。だが上院議員在職中は共和党であるにも関わらず、ブッシュ元大統領の外交政策を痛烈に批判し、イラク戦争にも反対した。
 だが口先だけの反戦家ではなく、ベトナムの従軍経験があり、勲章も授与されている英雄である。またイスラエルに対しても批判的で、米国は軽々しく戦争をすべきではないとの強い信念を持っている。
 オバマ政権の1期目は大統領に就任したばかりということもあり、オバマ大統領は周辺の利害関係者の意向を最大限配慮しなければならない立場にあった。大統領予備選で争ったクリントン氏を国務長官として処遇したり、ブッシュ政権の国防長官であったゲイツ氏を横滑りさせたのは、このような事情からである。

 だが二回目の選挙に勝利したオバマ大統領は閣僚人事において主導権を発揮することが可能となった。オバマ大統領は、拡大しすぎた米国の覇権を縮小し、米国をもう少しコンパクトで強力な国家に変貌させたいという意向を持っている。そのためには、軍の再編と対中関係の強化が必須の条件となる。
 すでに国防予算の大規模な削減が始まっているが、軍人や軍需企業はこれに強く反発している。軍の再編を徹底するには、国防長官の人選が何より重要となる。ヘーゲル氏であれば、軍人に対する説得力もあり、かつリベラル派からの信頼も厚く、オバマ大統領のプランを実行するのに最適な人物といえるだろう。

 外交面では、イスラエル支援の立場を後退させる可能性が高い。場合によってはイランとの緊張関係も緩和させる可能性がある。中国に対しても同様で、全面的に中国と対立するシナリオは描きにくい。ちなみに国務長官に内定しているケリー上院議員は親中国派として有名である。
 そういった意味では、日本は米中関係の狭間においてハシゴをはずされる可能性が高くなってきたといえる。安倍首相は日米同盟を強化し、これを後ろ盾とすることで、尖閣問題における強硬姿勢を担保しようとしている。だが次期オバマ政権の外交方針によっては、この戦略が意味をなさない可能性も出てきているのだ。

 オバマ政権2期目の米国は、新しいリベラリズムの国となるかもしれない。親イスラエル、労働組合、人権問題での他国介入といった従来型のリベラル色を一掃したまったく新しいリベラリズムである。米国が2035年までに石油を完全に自給できるという衝撃的な事実も、この動きをさらに加速させる可能性がある。
 究極的には東アジア地域の安全保障については、中国に委ねることも理論的にあり得る展開となってきたのである。戦後70年続いた日米安保体制は、いよいよ終わりの始まりを迎えようとしているのかもしれない。

 - 政治

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