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トンネルだけでなくドライバーも劣化?仮復旧の笹子トンネルで追突事故が連続発生

 

 天井版の崩落で通行止めになり、下り線の対面交通で仮復旧したばかりの中央自動車道笹子トンネルで、追突事故が連続発生している。

 30日午後3時ごろ、対面通行上り線のトンネル入り口で、渋滞のため停車していた乗用車に後続の乗用車が追突し、計4台の玉突き事故になった。うち1台が反対側の下り線に飛び出し、軽乗用車と衝突した。

 続いて31日午前10時ごろ、トンネル内の中央付近で対面通行下り線の渋滞の列に、後続の乗用車が追突し玉突き事故となった。いずれもケガ人は出ているが軽症だという。

 事故原因は不明だが、後続のドライバーが何らかの理由で渋滞の発生に気が付くのが遅れ、追突したものとみられる。31日の事故はトンネル内部の渋滞部分での事故だが、トンネルを走行した車両のドライバーからは「トンネル内の視界が悪い」といった声も出ていたという。

 実は、天井版崩落以前から、中日本高速道路会社はトンネル内の渋滞が事故を引き起こすリスクについて認識していた可能性がある。あるドライバーは自身のWebサイト上で、同社が笹子トンネルの直前にわざわざ車線規制を行い、トンネル内だけがスムーズに走行できるように誘導していたと証言している。もしそれが事実なら、同社が危惧していた事態が発生してしまったことになる。

 現在、同トンネルは天井版崩落事故により、片方のトンネルしか使用できず対面交通となっている。また現在使用中のトンネルも天井版を取り外しており、当初の換気性能が実現できていない可能性もある。そこに年末の帰省ラッシュが重なり、事故が発生につながってしまったことは容易に想像ができる。

 だが対面交通に変更になったり、視界が少々悪いくらいで事故は起きるものなのだろうか?道路問題に詳しい専門家の中からは、ドライバーの質の低下を指摘する声も上がっている。
 日本の高速道路建設はコスト意識が極めて低く、欧米の道路に比べ建設コストが高いことで知られている。ふんだんな照明や常にピカピカの状態に保たれた標識など、かなり贅沢な仕様になっている。
 だがこういった過剰な設備が安全性に寄与しているかというとそうではない。過剰な設備はドライバーを安心させ、注意力が散漫になるリスクもあるのだ。米国の高速道路はセンターラインは薄く、照明もほとんどない。よく注意して走らないと事故を起こしそうな雰囲気である。だが日本と諸外国で高速道路の事故の発生率はあまり変わらないというのが現実だ。

 今回の事故が、過剰な設備に慣れきった日本のドライバーの質の低下がもたらしているのだとしたら、これほど皮肉な話はない。劣化していたのは天井版だけではないかもしれないのだ。

 - 政治, 社会

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