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フランスの著名俳優が富裕層増税に反発してロシアに移住。著名人の国外脱出が相次ぐ

 

 ロシア政府は3日、フランスの著名俳優ジェラール・ドパルデュー氏にロシア国籍を付与すると発表した。ドパルデュー氏はフランスのオランド大統領が掲げる富裕層への増税に反対しており、国籍返上を表明していた。ドパルデュー氏はロシアに対して「ロシアは偉大な民主国家だ」と最大限の賛辞を送っているという。

 フランスはオランド大統領が就任して以降、所得税の最高税率を75%にする方針を打ち出すなど、反富裕層的な姿勢を明確にしている。富裕層はこれに反発しており、LVMH(ルイヴィトン・モエヘネシー)会長のベルナール・アルノー氏が税金の安いベルギーの国籍を取得することを表明して話題となっていた。

 当初ドパルデュー氏はアルノー氏と同様、ベルギーへの移住を希望し同国に家も購入していた。だがこの話を聞いたプーチン大統領がドパルデュー氏にすかさずコンタクトを取り、国籍付与を提案したという。ロシアの所得税は13%と極めて安く、ドパルデュー氏のような富裕層にとっては非常に条件がよい。

 今回のドパルデュー氏の国外移住は、アルノー氏に続く著名人の国外脱出であり、しかも行き先がロシアという人道上の問題を多数抱える国というオマケまで付いている。オランド政権にとっては二重の痛手となるだろう。

 オランド政権は富裕層への課税と同時に、大企業に対する課税強化も表明していた。だがオランド政権はこちらについても事実上、公約を全面撤回している(本誌記事「仏オランド政権が政策を180度転換。企業優遇と福祉削減にとうとう舵を切った」参照)。フランス経済の落ち込みが激しく、企業支援のために減税案を提示しなければならない状況に陥っているのだ。

 欧州では、企業の競争力を強化して結果的に労働者の所得を高める方策と、企業や富裕層に対する課税を強化して労働者に再分配する方策に二分している。競争力強化策は、ドイツ、北欧諸国などのゲルマン圏プロテスタント諸国が主に採用している。一方、課税強化策はフランス、スペインなどラテン圏カトリック諸国が多く採用している。これまでのところ結果は明白であり、フランスはそろそろ本格的な政策の変更を余技なくされる可能性が高くなってきたといえるだろう。

 - 政治, 社会, 経済

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