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2%物価目標の導入に向けて、政府が日銀に見せつけるアメとムチ

 

 新年が本格的にスタートしたことで、日銀に対する政府のアメとムチを使ったアプローチがより激しさを増している。

 安倍晋三首相は4日、年頭の記者会見において「日銀に 責任を持って対応してもらわなければならない」と述べ、21日と22日に予定されている金融政策決定会合において、2%の物価目標を導入するよう強く促した。
 また麻生太郎副総理兼財務・金融相は同じく4日に記者会見を行い、白川総裁の後任について「向いている人なら誰でもいい」と述べ、財務省出身者を排除しない方針を明らかにした。
 一方で、麻生財務相は6日のテレビ番組において「協定という言葉にこだわる必要はない」と述べ、日銀との間で実質的な協調体制を維持できれば、政策協定(アコード)締結にこだわらない考えも示している。

 日銀は2%の物価目標導入について、次期総裁ポスト、政策協定などに絡める形で政府からプレッシャーをかけられている。日銀がもっとも避けたい事態はもちろん日銀法の改正である。日銀法の改正を回避するために、日銀がどこまで妥協しなければならないかというのが駆け引きの焦点である。

 日銀総裁の椅子は、かつては財務省と日銀のたすきがけ人事であった。事実上日銀総裁のポストを失っている財務省としては、次期総裁には武藤敏郎元財務次官を推したい意向だ。日銀内部では、日銀総裁は財務省OBになってもやむを得ないという考えに傾いているといわれ、現在は副総裁に日銀出身者を据える方向で検討しているという。総裁のポストは譲り、日銀法改正はもちろん、政策協定なしの物価目標導入を実現できればまずまずという考え方だ。

 もっとも政府内部には財務省の影響力が強まることを懸念し武藤氏を嫌う向きもある。日銀の元副総裁で、量的緩和策にも理解のある岩田一政氏を推す声もある。

 次期日銀総裁のポストが誰になるのかで、安倍政権の本当の姿が明らかになるはずだ。まずは次回の政策決定会合において2%目標が導入されるのかという点が注目されるが、最終的には次期日銀総裁の人事によって安倍政権の最終的な方向性が決定されることになるだろう。

 - 政治, 経済

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