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政府が地方都市の不動産活性化ファンドを検討中。だが完全に手遅れだ!

 

 政府は、経済対策の一貫として、商業施設やマンションの建設プロジェクトに投資する官民共同ファンドを創設する。ファンドの規模は1000億円程度を想定しており、政府出資分について2012年度補正予算案に計上する方針。
 ファンドの投資対象となるのは、地方中核都市の商業施設やマンションなど。古いビルなどを耐震性のあるものに改修することで、地方におけるいわゆる「シャッター商店街」を活性化させるという。

 既存のインフラを活用して地域の活性化を図るという非常にいいプランのように見えるが、ある不動産投資の専門家によるとこの施策は「すべてが遅すぎる」のだという。

 日本の商業施設やマンションは欧米に比べて貧弱で、寿命が短いという特徴がある。このため、長期間使用できずにすぐに解体するものの、十分なコストをかけられず、再度貧弱なものを建てるという悪循環に陥っていた。

 こうした既存の施設を公的ファンドで改修することができれば、これらが優良な資本ストックに生まれ変わり、日本経済にとって大きなプラス効果をもたらすことが期待された。
 だが日本のインフラ政策は目先の利益ばかりが優先され、既存物件の活用についてはほとんど無視されてきたというのが現実。このため既存物件の劣化が著しく進み、現在では使用に耐えない物件が相当な数に上っている。

 一方、金融市場では経済の長期停滞によって資金の行き場がなくなり、そのすべてが不動産に集中するという異様な状況が続いている。テナントのニーズがないにも関わらず首都圏を中心に新規の不動産開発が相次ぎ、その余波は地方都市にも及んでいる。この結果、全国に新築のビルばかりが建つことになり、完全に供給過剰の状態になっているのだ。

 新築ビルはテナントを確保するために、大幅な値引きを繰り返しており、中古ビルがこれに対抗することはほぼ不可能である。また産業の空洞化や人口減少を考えると、今後劇的にテナント・ニーズが増えることは想定しにくい。この状態でファンドを使って中古物権を改修しても、十分なテナントを確保できる見込みは限りなく少ないのだ。

 同様の施策が20年前に行われていれば、日本のインフラの姿もまったく異なったものになっていたかもしれない。だが今となってはすべてが後の祭りというわけである。同ファンドの資金は新規建設にも適用できるとみられている。このままでは単なる瞬間的な消費に消えるバラマキ予算となる可能性が高い。

 - 政治, 経済

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