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岸田外相の訪米が決定。だが米国側の最大の関心事は何と慰安婦問題?

 

 岸田文雄外相は8日、クリントン米国務長官と電話会談を行い、今月18日にワシントンを訪問し日米外相会談を行うことで合意した。
 ワシントン訪問はクリントン国務長官の招待によるもので、現在調整が難航している安倍首相の訪米日程、TPPの交渉参加問題、米軍普天間基地移設問題などが話し合われる予定だという。岸田外相は記者団に対して「日米同盟の絆を強化したい」と語った。

 だが肝心の米国側の雰囲気はまったく異なっている。安倍首相の訪米日程がなかなか決まらないのはその象徴といえるが、実は状況はさらに悪い。

 米国務省のヌーランド報道官が、岸田外相の訪米について記者から受ける質問は、日米関係のことではなく、従軍慰安婦問題とそれに伴う日韓関係に関するものばかりなのである。
 韓国はここ数年、米国で慰安婦問題を政治問題化すべく大金をバラ撒いて強烈なロビー活動を行っている。人権を重視する米国の一部議員はこれに賛同しており、日本を人権抑圧国家として糾弾する動きが日増しに高まっているのだ。

 実際、欧米メディアの多くが、安倍政権の誕生について量的緩和策に代表されるような経済的な視点では捉えていない。多くが軍国主義的な首相が誕生し、時計の針を太平洋戦争当時に戻しているというトーンでの報道だ。
 多くの日本人にとってこの状況は理解しがたいし、反発を覚えるかもしれない。だがわずか70年前に日本は連合国に無条件降伏し、今のイラクやアフガニスタンのように米国に完全占領された敗戦国であることを忘れてはならない。
 また安倍首相の祖父が戦争犯罪人であった岸信介元首相であることは事実であり、安倍氏は祖父を尊敬していると公言もしている。東京裁判が茶番劇だといくら叫んだところで、冷酷な国際パワーゲームのもとでは何の意味もないであろう。しかも中国や韓国の国力は増大しており、米国に対する影響力は以前とは比較にならないくらい高くなっている。
 日本の過去の戦争を糾弾しようとする勢力にとって、現在の安倍政権ほど都合のよい存在はないのである。

 安倍政権は、日米関係の強化を担保に、中韓に対する強硬姿勢を貫く方針である。だが肝心の米国がそう思っていない、あるいは国務省や国防総省がそう思っていても政治的に動けないという可能性は高く、もしそうだとするとこの状況は大変危険である。「日米同盟の絆」などと暢気なことをいっている場合ではないのだ。

 - 政治

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