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鳩山元首相が訪中。中国による分断作戦か日本政府への隠れたラブコールか?

 

 今回の衆院選をきっかけに政界を引退した鳩山元首相が中国の招きで訪中することが明らかになった。鳩山氏は15日から18日の日程で北京を訪問し、中国最高指導部との会談を予定している。習近平共産党総書記との会談も検討されているが、実現するかどうかは不透明という。

 鳩山氏は10日都内で講演し、「私が首相のときには、日中間で領土問題は起きなかった」と述べ、沖縄県の尖閣諸島をめぐり悪化する日中関係の改善に寄与したい意向を示している。政府はこの件に一切関与しておらず、菅官房長官は10日の記者会見で、鳩山氏の訪中について記者団に聞かれ「今初めて聞いた。それだけだ」と不快感を表明した。

 与野党からは鳩山氏の唐突な行動について批判する声も上がっているが、宇宙人と呼ばれた鳩山氏の行動についてあれこれ分析してもあまり意味がない。
 むしろ注目すべきは、中国が鳩山氏を招待した真意である。鳩山氏は無邪気に東アジア共同体を提唱し、米国との同盟関係を見直すことを主張している人物である。中国側が日本政府を通さずに鳩山氏を招待するのは、典型的な分断策に見える。確かにこれで日本国内を反中国派と新中国派に分断できれば、中国側に有利となるのは間違いないだろう。

 だが一方でこの動きは、日本政府側と交渉の糸口を探りたいというサインとも解釈できる。尖閣問題を含めて日本側と交渉したいが、簡単に妥協するつもりはないという意志表示である。いつでも鳩山氏のような親中国派の人と話を進める用意があるのだということを暗に示しているわけだ。この場合には鳩山氏は単なるコマであって、本音ではその存在について重要視していないということになる。

 いずれにせよ、交渉の世界ではこういった分断策は常套手段なのだが、日本人はこの手の揺さぶりに弱い。今回のような事態が発生すると、賛成、反対の立場を問わず、鳩山氏の方に注目が集まってしまう傾向がある。本当に注視すべきは鳩山氏ではなく、中国側であることを忘れてはならない。

 - 政治

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