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最新鋭ボーイング787が4連続トラブル。ボーイング社や素材を開発した東レの株価が下落

 

 夢の最新鋭機として鳴り物入りで導入された最新鋭機ボーイング787型機が4連続でトラブルを起こしており、不安が広がっている。

 最初のトラブルは米国で発生した。1月7日、ボストンのローガン空港で、JALが運用する機体に火災が発生した。尾翼に備えられた補助動力装置 (APU)のバッテリー付近から出火したと考えられるが、詳しい原因は分かっていない。
 翌日の8日には、同じくローガン国際空港において、誘導路を走行中に油が機外に漏れる トラブルが発生している。こちらも詳しい原因は分かっていない。

 一方国内では9日、羽田発宇部行きANA695便において、離陸直後にブレーキ系統の一部の異常を知らせる表示が出た。他のブレーキ系統には異常はなく、同機は飛行を続け、無事に着陸した。全日空では折り返し羽田空港に戻る便を欠航にし、ブレーキ系統をまるごと交換した。
 トラブルはさらに続く。今度は11日、松山市の松山空港に到着した羽田発の全日空585便の操縦席の窓ガラスにひびが入っていることが分かった。乗員乗客246人にけがはなかったが、全日空では折り返し便を欠航にして原因を調べているという。

  一般論として、開発されたばかりの新しい機種には細かいトラブルはつきものである。これらの不具合を修理しながら、機体は成熟化していく。だが今回の787型機の一連のトラブルはより深刻な事態である可能性も指摘されている。
 それは787型機は炭素繊維というまったく新しい素材をボディに採用しているからである。従来の旅客機はアルミニウム合金が主体の金属製で、その歪みや劣化に関する豊富な経験値がある。だが炭素繊維の機体は歴史が浅く、軍用機などでの運用事例があるだけである。一連のトラブルが想定以上の機体の歪によって発生している可能性は否定できず、もしそうであれば、機体そのものへの信頼が危ぶまれることになる。

 ちなみに炭素繊維の素材は日本の東レが開発したものである。ボーイング社の機体設計の問題なのか、素材の問題なのか、あるいはまったく関係ない偶然のトラブルなのかなど、詳しいことは何も分かっていない。だが少なくとも株式市場は両社に厳しい目を向けている。ボーイング社は事故が報じられてから5%ほど株価が下落したほか、東レは11日の市場で4%近く下落している(ボーイング社はその後、株価は回復)。

 最新鋭機の導入には一定のリスクが伴うというのがこの世界の常識である。全日空はそのリスクを承知で、あえて787型を世界で始めて導入したのである。もしトラブルが深刻化するようであれば、この経営判断が正しかったのかについても厳しく問われることになるだろう。

 - 経済

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