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キリンが日本人の「夢」についてアンケートを実施。この結果から分かることは?

 

 キリンビール株式会社は同社のビール製品のキャンペーン活動の一環として、「日本人の夢調査」を実施した。学術的な調査ではないので、いろいろばバイアスがかかっている可能性があるが、結果は日本人の生活状況を反映した興味深いものとなっている。

 同調査は、2012年12月、20代から50代の男女各100人、2013年度新成人の男女各100人の合計1000人に対して行われた。

 現在かなえたい夢があるかという質問に対しては、76%の人が「ある」と答えている。だが夢があると答えた人の割合は年代が上がるにつれて下がってくる。10代と20代では80%の人が夢があると回答しているが、30代では74%、40代では69%と低下してくる。だが50代は75%と逆に上昇している。

 アンケートに回答した人の職業属性は明らかではないが、多くがサラリーマン層であると推定される。年代を追うごとに夢を持つ割合が下がってくるのは、会社の仕事が忙しくなり、夢を後回しにしている状況が推察される。50代で上昇するのは、会社で昇進することができた一部の人を除いては、出世競争を諦めることになり、個人の生活に興味が戻っている状況が考えられる。

 では持っている夢とはどんなものなのだろうか?具体的な回答例としては、「ロボットを作る」「家族でオーロラを見に行く」「宇宙旅行に行ってみたい」「カラオケ大会で優勝」「有名パティシエのケーキ食べ放題」などとなっており、宇宙旅行を除いては少々頑張れば不可能ではないものも多く並んでいる。

 では逆に夢を諦めてしまったのは何歳からなのだろうか?夢をあきらめた年齢の平均は24歳となっており、若い段階ですでに夢を諦めていることが分かった。夢を諦めた理由は才能の限界を感じた、年齢の限界を感じたというものが半数近くを占めている。つまり夢をあきらめた人の多くは、スポーツ選手、芸能人など、特殊な才能が必要とされたり、年齢制限のある夢を持っていたということが推察される。

 以上のことから、少々悲しい日本人のオジサン・オバサンの姿が浮かび上がってくる。
 若くして夢を諦めた人の夢は、相当にハードルの高いものであったことが想像される。夢が実現できないのはある意味で致し方ないことである。どこかで折り合いをつけることも人生のひとつの区切りといえるだろう。
 だが一方で、まだ夢を持っているという人の夢は、少々ムリをすれば実現可能なものが多い。おそらくその何割かは、実現が難しい夢から、実現が可能な夢に切り替えたであろうことが想像される。それなのに、その現実的な夢を持つ人の割合ですら年々減ってきてしまうのである。
 あとちょっと努力をすれば実現可能な夢ならば、せめてそれだけは諦めないでいた方が、より充実した人生を送れるのではないか?調査結果からはそんな天の声が聞こえてくるようだ。

 ある起業家はこう言っている。「定年退職したら世界一周に行きたいという人は多い。だが行きたいのならなぜ今すぐ行かないのか?」。現実の職場や家庭の状況を考えればおいそれと世界一周旅行などできないことは誰もが分かっている。だが本当にやりたいことがあるのなら、今すぐにでもやるべきだというのも真実である。人が考えることのほとんどは、やる気さえあれば実現できることばかりなのだから。

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