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安倍首相が参院選を優先しTPP交渉参加の表明を見送り。日米交渉への影響は?

 

 安倍首相は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加問題について、2月以降に予定されている日米首脳会談で正式表明を見送る意向を固めた。今年夏の参院選対策を最優先し、結論を先送りする。米国などTPP交渉参加国は今年10月の基本合意を目指している。日本の参加表明が参院選後になることで、交渉妥結時の参加国になれない可能性も出てくることになる。

 安倍首相は尖閣諸島問題などを受けて、米国に対して日米同盟の強化と日本への支持を求める意向である。だが米国は普天間基地問題などにおける日本側の対応に不満を持っており、安倍首相の意向を受け入れる見返りとしてTPP交渉への参加を要求する可能性が高いといわれていた。一部からは、TPPへの参加表明を延期してしまうことで、日米交渉が困難になることを警戒する声も上がっている。

 もっとも日本サイドが考えているほど米国はTPPについて関心を持っていないという見方もある。米国の政界ではTPPはほとんど話題になっておらず、日本進出を考える一部の産業界からの要望という面が強いのは事実である。だがそれは日本にとって必ずしも有利ということを意味するわけではない。米国政府は、TPPがダメなら今度は次のお土産を要求するからである。

  そのお土産が何なのか現時点では明確ではない。2期目に入るオバマ政権では、国務長官と国防長官という主要閣僚が入れ替わり、外交安全保障政策が180度転換する可能性がある。ケリー次期国務長官はベテランの上院議員でゴリゴリの親中国派の政治家である。ヘーゲル次期国防長官は、米軍の規模縮小や核兵器の廃絶、反イスラエル主義という、国防長官としては相当ラジカルな思想の持ち主である(本誌記事「オバマ大統領が次期国防長官にヘーゲル氏を指名。その真の狙いとは何か?」参照)。
 さらに米国の議会では中国や韓国のロビー活動が活発になっていることなどを考えると、次に要求されるお土産は「中国への大幅譲歩」「従軍慰安婦問題への対処」などという、思いもよらないものとなる可能性もゼロではない(本誌記事「岸田外相の訪米が決定。だが米側の最大の関心事は何と慰安婦問題?」参照)。

 オバマ大統領としては、まずは中国の出方を見極めることが重要であり、日本に対する外交政策はその後に決定されることになるだろう。
 TPPという具体的なカードがなくなった現在、2月以降に予定される日米首脳会談はますます形式的なものになる可能性が高くなってきた。米国はこれまで日米首脳会談の日程をさんざん引き伸ばしてきたが(本誌記事「安倍首相の早期訪米を米側が拒否」参照)、ホンネでは、さらに後回しにしたいといったところではないだろうか?

 - 政治, 経済

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