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米国の債務上限問題。1兆円コイン発行という奇策は財務省が否定

 

 新年に入りオバマ大統領と議会共和党の攻防が再び激しくなっている。昨年末、財政の崖をめぐる交渉が期限ギリギリまで引き延ばされ市場関係者をやきもきさせたが、今度は連邦政府の債務上限をめぐって両者は一歩も引かない構えを見せている。

 連邦政府の債務は2月下旬にも約16.4兆ドルの上限に到達する見込み。このままでは連邦政府の支出が止まる可能性がある。
 オバマ米大統領は14日、債務条件引き上げをめぐる共和党との交渉について「駆け引きはしないと」と明言し、債務上限の引き上げと引き換えに歳出削減を求める共和党の動きを牽制した。

 債務上限の交渉決裂を回避する手法をめぐっては、一時、1兆ドル(約88兆円)のプラチナ硬貨発行を検討するとの奇策も浮上したが、財務省はこれを否定している。

 紙幣の発行は中央銀行が独占しており、政府が勝手に紙幣を発行することはできない。だが記念硬貨であれば政府の権限で発行することが可能で、額面などの制限もない。このため政府が1兆ドルの記念硬貨を2枚発行し、これをFRBに預け入れ、ドル紙幣でこれを引き出せば、自動的に2兆ドルの収入を得ることができる。

 これは著名な経済会社であるポール・クルーグマン氏がネット上のブログで提唱したものであり、理論的には実行可能だが、現実には荒唐無稽なアイデアといえる。クルーグマン氏自身も民主党も、実際にこれを行うつもりはなく、最初から共和党に対する交渉材料という位置付けと思われる。
 日本でも日銀が量的緩和に同意しないならば、政府に発行権がある硬貨を利用するというアイデアがあったが基本的にはこれと同じものである。

 その効果がどれほどのものだったかは分からないが、少なくとも市場関係者は、債務上限の引き上げ問題については楽観視している。財政の崖問題と同様、共和党側が何らかの妥協案を提示し、解決が図られるとの見方が大半である。

 - 政治, 経済

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