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与党が所得税と相続税の税率引き上げで合意。これは将来の大増税への布石となる!

 

 自民、公明の両党は、所得税と相続税の最高税率の引き上げについて合意した。また相続税の増税時期を2015年1月とす ることで合意した。消費税の増税を控え、富裕層への課税を強化することで、低所得者層の支持を強化したい考えだ。

 現行の税制では、所得税の最高税率は40%。適用対象となるのは課税所得1800万円超。新しい税制案では、45%の最高税率を新たに設け、課税所得3000万円超についてはこの税率を適用する。また相続税については現行では50%だったものを55%に引き上げる。

 この合意は政治的な意味合いが強く、現実的な効果はほとんどない。日本の給与所得者で2500万円以上を得ている人はわずか9万2000人しかおらず、全人口の0.08%に満たない。また彼らが5000万円の所得を得ているとしても、増税分で得られる歳入は2300億円程度である。
 しかも高所得者の多くは、節税対策をしていることがほとんどで、所得税が増税となれば、その流れはさらに加速することが考えられる。

 自民党としては、本音では所得税の増税問題にはあまり関心がないものの、一部とはいえ高所得者からの反発は抑えたいと考えている。低所得者層に支持基盤の多い公明党からの要望という形を取ることでバランスを確保したい意向だ。
 同様の政治的駆け引きは、消費税増税の軽減税率でも実施されている。生活必需品や新聞などに対する軽減税率の適用は、低所得者に配慮する公明党からの要望という形を取っているのだ。

 一方で徴税の当事者である財務省側はもう少し違ったスタンスだ。財務省としては所得税の増税が実質的に意味をなさないことは百も承知している。財務省がもっとも気にかけているのは富裕増税の本丸である相続税の方である。
 今回、相続税の税率の変更が実施されれば、ようやく資産課税増税の前例ができる。消費税の増税だけで財政を好転できないのは明らかであり、今後は消費税の再度の増税と相続税の大幅増税で乗り切りたいというのが財務省の本音といえる。

 今回の連立与党合意は、やがて到来する大増税時代の幕がいよいよ切って落とされたことを暗に示しているのだ。

 - 政治

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