ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

アベノミクスをクルーグマン教授が評価したという記事で触れられなかった事実とは?

 

 米国の著名な経済学者ポール・クルーグマン氏が安倍政権の経済政策「アベノミクス」を評価したとする記事が話題となっている。

 この話の発端はNew York Timesのブログに連載しているクルーグマン氏のコラム。
 このコラムについて毎日新聞が、クルーグマン氏は安倍首相の経済政策について「結果的に正しい」と評価していると報じたことがきっかけ。

  だが毎日の記事をよく読むと、クルーグマン氏の批評は褒め殺しに近いものであり、とてもプラスに評価しているとは言えない内容だ。
 要約すると「安倍首相は経済について深く考えているわけではない。だがそれがかえって正統派の経済学者の言うこと無視することにつながっており、結果として彼の経済政策は成功している」といったところだ。

 ではクルーグマン氏は本当は何といっているのであろうか?コラムの原文には確かに毎日新聞で報じられているような内容が記載されており、安倍首相の無知が結果的に経済政策の成功につながっているという趣旨だ。
 だが毎日の記事には重要な事実が触れられていない。クルーグマン氏は、安倍首相が国粋主義者であり、太平洋戦争当時の日本の虐殺行為を否定する危険人物であると断罪しているという点だ。
 クルーグマン氏は米国には珍しくケインズ主義を標榜するリベラル派の経済学者であり、その意味で米国では異端児的な存在である。
 政治的な立場は民主党寄りだが、現在の民主党の政策も批判しているため、主流の経済学者からは孤立している。このため同氏の安倍氏に対する人物評価は多少極端な面もあるかもしれないが、安倍氏が国粋主義者であるというのは、欧米メディアでは共通した認識である。

 外国の自国に対する認識と、自国民による認識に違いが生じるのはどこの国にも起こりえることである。だが日本の場合、諸外国の認識と自国の認識が180度異なるという事態がしばしば発生する。太平洋戦争がそのいい例だが、認識のズレもここまでくると国を滅ぼしかねない重大な影響を及ぼす可能性がある。

 安倍氏が軍国主義者、国粋主義者なのかはこの際どうでもよい。だが海外がそのように認識していることを日本人が知らないのだとすると、それは国益に関わる重大問題といえるだろう。

 - 政治, 経済

  関連記事

takemi
有権者も世代交代?自民党のサラブレット武見敬三氏が山本太郎氏相手に苦戦のワケ

 盛り上がりに欠けた参院選は事前の予想通り、自民党の圧勝となった。衆議院で過半数 …

mujinki
米司法省の極秘メモが流出。無人機の暗殺対象に米国人も含まれる?

 無人機によるテロリスト殺害の対象者に米国市民も含めることを可能とする米司法省の …

mof
財務省が物価連動債の発行再開へ。いよいよインフレ時代がやってくる。

 財務省が、物価に応じて元本が増減する物価連動国債の発行を再開する。物価連動国債 …

keidanren2015teigen
経団連が8年ぶりに総合的な政策提言書を作成。かくしてその中身は?

 経団連は2015年1月1日、2030年までの国家ビジョンを示す政策提言「『豊か …

kaikeikensain
会計検査院が独法のずさんな出資先管理を指摘。問題の本質はどこに?

 独立行政法人が出資する関連会社の中で、経営が困難になっていたり、投資資金が回収 …

no image
パネッタ米国防長官が来日。主要な議題はオスプレイではない

 米国のパネッタ国防長官が来日している。各メディアは、新型輸送機オスプレイの普天 …

spain
意外に堅調な欧州経済。スペインには再び投資資金が集まっている

 欧州経済が着実な回復を見せている。ギリシャ債務問題が大きく市場を揺さぶったが、 …

kazoku
出生率に関する内閣府の研究結果。伝統的価値観は出生率向上にあまり寄与せず?

 内閣府は8月30日、家族の価値観と出生率に関する研究結果を発表した。伝統的な家 …

passport
中国のパスポート領土表記問題。ベトナムが猛抗議するも現場では小遣い稼ぎをする輩も

 新しく発行が始まった中国のパスポートが大きな波紋を呼んでいる。パスポートに記載 …

ecb
EUが銀行監督一元化で合意。欧州は後戻りできない道に入った!

 欧州連合(EU)は13日に開いた財理事会で、ユーロ圏の銀行監督業務をECB(欧 …