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英国でHMVが破綻、90年以上の歴史に幕。日本と異なりAKBがいないので復活困難か?

 

 英国の音楽ソフト販売大手HMVグループは14日、破綻を宣言した。すでに管財人を指名しており、事業を継続しながら買い手を探す。約4000人の従業員がどうなるかは現段階では不明。

 同社は創業90年を越すレコード店の老舗。90年代には日本を含め各国に進出したが、その後のCD不況から撤退が続き、現在では英国とアイルランドを中心に展開していた。
 業績不振の原因はネット通販の台頭と音楽ダウンロード販売の急増。英国では2000年初頭は数%だった音楽のダウンロード販売が現在では70%以上を占めている。CDを購入する顧客も、スーパーをはじめとする他の小売店やAmazonなどのネット通販を利用する傾向が高まっており、リアルの音楽ソフト専門店としての継続が難しい状況となっていた。

 だが英国のHMVはまだ持ちこたえた方といえる。米タワーレコードは2006年にすでに破産を申請しているし、HMVの日本法人やタワーレコードの日本法人はとっくに投資ファンドや事業会社に買収され、本体との資本関係はなくなっている(HMV日本法人は最終的にローソンに吸収、タワーレコードはNTTドコモグループ)。

 HMVには投資会社が関心を示しているといわれ、徹底的なリストラを実施した上で再出発できる可能性も残されている。だが英国においても日本のように規模を縮小した形で大手音楽ソフト販売店が生き残れるのかは不透明だ。
 日本も世界と同様、CD販売が続いてきたが、最近は持ち直す傾向が見られるようになっている。音楽ソフト制作大手のエイベックス・グループにおけるCD売上げはすでに全体の3分の1程度。だが縮小一方だったCD販売は昨年から増加に転じているのだ。

 主な要因はアイドルグループの台頭と中高年層だ。握手会に代表されるようなCDを積極的に購入させる戦略が販売増加に寄与している。中高年層はいまだにCDを好む傾向が強く、かつてのアーティストが多数復活していることで、売上げが増加している。
 だがアイドル歌手を中心にした売り出し方は途上国型のモデルであり、音楽市場が成熟してしまっている英国や米国には日本のようなアイドルグループが存在しない。音楽市場そのものは活発だが、大手小売店のビジネスモデルとはもはや親和性が低いのだ。

 英国では昨年12月に家電販売店のコメットが全店舗を閉鎖したほか、老舗カメラ販売大手ジェソップスも破綻を発表した。専門小売店の凋落は止めようのないトレンドになっているようである。

 - 経済

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