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過大な期待や悲観は無用!中国市場に対する3つの誤解を解く

 

 近年、日本は中国という存在に振り回される状況が続いてきた。当初は巨大市場に乗り遅れるなという極端な中国信仰が蔓延したかと思えば、中国経済崩壊論など極端に否定的な論調もある。尖閣諸島問題が発生した後は、中国市場を無視するかのようなスタンスも目立つようになってきた。だが中国に対するどの見方も現実を直視したものとは言い難い。日本人の中国市場に対する誤解を集めてみた。

【誤解1 中国は世界で最も魅力的な市場だ】
 中国は14億人の人口を抱えており巨大市場であることは事実だ。だが中国人の購買力はまだ低いとうのが現実の姿だ。
 GDPの総額は日本を抜き世界2位だが、豊かさを示す1人当たりのGDPは日本の7分の1の水準しかない。ほとんどの中国人はまだおいそれと自動車や高級家電を買える経済力は持っていないのだ(人口は10倍以上いるのに、自動車の保有台数は日本とあまり変わらない)。

 今後どうなるかは中国の成長次第だが、少なくともこれまでは中国は生活必需品が売れる途上国型の市場であり、日本企業が得意とする付加価値の高い商品が売れる成熟市場でなかったことだけは確かだ。

【誤解2 中国は世界でもっともたくさんのモノを買っている】
 中国の輸入額は極めて大きく、現在では米国を抜いて日本最大の輸出先となっている。だが中国が輸入した商品を中国で消費しているのかというそうではない。
 上記のように中国はまだ貧しく日本から輸入したモノを中国で消費しているわけではないのだ。特に部品や素材などの製品はコストの安い中国で組み立てられて、最終的に米国やEUに輸出される。中国は経由地でしかない。
 経済協力開発機構が発表した付加価値ベースの輸出統計では、日本の最大の輸出先は依然として米国のままだ。

【誤解3 中国経済は限界にきている】
 誤解1と誤解2とは逆に、中国に対する過剰な悲観論も多い。実際、中国経済は失速しており、中国からの投資を引き上げるケースが相次いでいる。
 中国商務省が16日に発表した中国への直接投資額は前年比で3.7%減少しており、数字もそれを裏付けている。だが中身をよく見ると、状況はそれほど悪くない。数字が大きく減少しているのは不動産セクター(10.8%減)であり、不動産を除いたサービスセクターはむしろ増加している(4.8%増)のだ。
 日本の貿易統計でも対中輸出の減少が著しいのは、建機や資材など建設関係の商品であり、部品など製造業向けのものはあまり落ち込んでいない。
 これまでの中国は、高度成長時代の日本と同様、橋や道路といったインフラ投資が中心の社会であり、これが一種のバブルを引き起こしていた。だが逆に考えれば、今までの成長が異常な水準だっただけで、庶民の生活の質が向上するのはこれからということになる。インフラ整備の特需はもうないだろうが、消費市場の伸びは大きいことが予想される。

 中国市場に対しては過大な楽観論や悲観論は無用である。日本の隣に位置する成長途上の大国であり、米国に次いで重要な市場であるが、独裁政権でもあり政治リスクが大きい、という事実をそのまま受け入れればよいだけだ。

 - 経済

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