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中国が2012年GDP値を発表。中国の爆発的成長は終了し、今後は普通の経済成長へ

 

 中国国家統計局は18日、2012年のGDP(国内総生産)を発表した。実質GDPの成長率は前年比7.8%と1999年以来13年ぶりに8%を割り 込んだ。欧州債務危機で輸出の伸びが大幅に鈍化したほか、国内の新車販売台数の伸びも頭打ちとなるなど個人消費も低迷したことが主な要因だという。

 確かに欧州債務危機によって輸出が低迷したのは事実だ。
 だが伸び率が低下しているとはいえ、昨年の輸出は前年比で6.2%伸びている。GDPの伸びが鈍化した最大の要因は道路や鉄道などのインフラ投資がほぼ一巡したからである。
 日本からの輸出状況を見ても、建設関連は伸びが鈍化しているが、部品など輸出関連の品目はそれほど落ち込んでいない。つまり中国の経済成長は巨額のインフラ建設に支えられていたのである。
 ここ10年の中国は、日本の高度成長と列島改造論が一緒にやってきたような特殊な時代であり、成長率も尋常な水準ではなかったのだ。以下は2008年以降の実質GDPの成長率の推移である。

 ・2008年 9.6%
 ・2009年 9.2%
 ・2010年 10.4%
 ・2011年 9.3%
 ・2012年 7.8%

 中国は2010年に日本のGDPを抜いたばかりだが、現在の名目GDPはすでに750兆円近くに達しており、すでに日本の1.4倍もある。これだけの巨大経済が毎年10%成長近くを維持することは、それ自体が異常なことといってよい。建設投資が一段落した今、成長率が鈍化するのは当たり前だ。

 中国政府は急激な成長率の低下による混乱を避けるため、一部でインフラ投資を強化するなどの措置を取っているが、基本的には今後は生活水準の向上を軸にした内需拡大策に舵を切りたい意向だ。
 もっとも中国のGDPに占める個人消費の割合は約35%と少ない。米国はGDPの約7割が、日本は約6割が個人消費によるものであることを考えると、中国の構造はまだまだ発展途上国型である。内需拡大策が効果を発揮してくるまでには、かなりの時間がかかるだろう。

 中国のGDP値の発表から分かることは以下の二つである。ひとつは中国はこれまでの異常な成長から普通の成長の時代に変化しており、かつてのような経済拡大は期待できないということである。もうひとつは、中国の経済規模はすでに日本の1.5倍近くもあり、成長が鈍化したとはいえ圧倒的な経済規模であるという事実である。日本と中国の規模での競争という意味では、中国は完全に日本を追い抜いたといってよいだろう。

 - 経済

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