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日本企業は新規事業に極めて消極的。革新的事業に至っては米国の5分の1

 

 コンサルティング会社のデロイト トーマツ コンサルティングは17日、日本企業におけるイノベーションの実態調査の結果を発表した。米国企業や中国企業と比較すると新規事業への取り組みが非常に消極的であることが明らかとなった。

 この調査は日本国内の上場・非上場の企業335社を対象に実施したもの。
 それによれば、日本企業が過去3年以内に市場に投入した新規事業領域が売上高に占める割合はわずか6.6%だった。米国や中国における同種の調査では、米国は11.9%、中国12.1%と日本の2倍近くの数値となっている。

 さらに新規事業の内容をより詳しく見ると日本企業がいかに停滞しているかがよりはっきりしてくる。米国は新規事業のうち、自社として新しいだけでなく世の中にとっても革新性の高い事業が半分以上を占めている。
 これに対して、日本企業における新規事業の中で、世の中にとっても革新性のある事業となっているのはわずかに11%だった。
 日本企業が取り組む新規事業は米国や中国の半分以下の水準であり、しかも新規事業のうちの90%は自社にとっての新規事業でしかなく、世の中にとっては新しくない事業ということになる。

 分かりやすい例をあげると、日本では大手の化学メーカーがサプリメントのTV通販事業を始めるというようなケースが圧倒的に多いということである。その会社にとっては新規事業でも、サプリメントのTV通販は世の中では既存事業でしかないからである。

 日本企業は完全に制度疲労を起こしており、成長しようという意志を放棄していることはかなり以前から明らかになっている。この調査結果は誰もが知っている事実をあらためて追認しているに過ぎない。
 だが問題なのは、日本社会全体が自閉的になり、新規の需要を生み出せない状況になっているのか、それとも市場自体には潜在的な需要があるものの、企業が適切な供給を実施できていないのかという点である。
 もし日本社会全体の問題であるならば、政治体制の根本的な変革が必要ということになる。だが単に日本企業が制度疲労を起こしているだけなのであれば、構造改革とリストラを徹底的に行えば、企業は自然と新規事業を生み出すことができるようになるはずだ。

 どちらが正しいのか?答えは市場にしかない。株価がそれを表すのだとすると、アベノミクスがもたらした円安が、本当に企業業績の向上と株価上昇につながってくるのかで結果は見えてくるだろう。

 - 経済

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