ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

欧州の国債入札が好調。日本に避難した資金が欧州に回帰して円安になった?

 

 欧州での国債入札が好調だ。22日に行われたスペイン国債の入札では、予想を上回る28億ユーロ(約3300億円)の調達に成功した。

 応札倍率は6ヶ月物で3.8倍と前回の2.6倍を大きく上回り、利回りも1.6%から0.89%と大幅に低下した。またイタリア国債の利回りもここ1年で半分近くも下落するなど、各国の資金調達をめぐる環境は劇的に改善している。
 根本的な解決には程遠いとはいえ、欧州債務問題が一段落したとの見方から、これまで危機回避モードであった投資資金が欧州市場に戻ってきているのだ。

 現在欧州で国債を購入している資金のうち、欧州域外からのものは、米国マネーと中東のオイルマネーが大半を占めていると考えられる。しかも中東のオイルマネーの一部は日本からも流出している可能性が高い。
 安倍政権の経済政策によって円安が実現したといわれているが、実は欧州に資金が戻っているというマクロ的な要因も大きく影響しているのだ。

 海外から日本に対する投資資金は2010年から2011年にかけて急増した。2010年の対内直接投資の額は10兆円そこそこだったが、2011年には22兆円近くに膨れ上がっている。
 日本の国債は日本人が保有しているとよくいわれているが、最近は状況がずいぶん変わってきている。短期債に限って言えば、3割近くが外国人投資家による保有であり、その多くは英国を経由した中東のオイルマネーであるといわれている。欧州債務危機で欧州から撤退した資金が日本国債に流れていたのである。

 だがここ数ヶ月で資金の流れが変化しつつある。流出に増加の兆しが見られるのだ。流出分は欧州の国債に再投資されている可能性が高く、この動きは為替にも大きな影響を与える。
 米国も景気回復が鮮明になってきており、今後日本からの資金流出は一定の水準で継続する可能性が高い。アベノミクスの内容はともかくとして、マクロ的な要因によって円安が定着する土壌は整えられつつある。

 - 経済

  関連記事

bouekikontena
デフレでゲタを履かせられた7~9月期の実質GDP。輸出の落ち込みはかなり深刻

 内閣府は2016年11月14日、2016年7~9月期のGDP(国内総生産)速報 …

putin
欧米の経済制裁で疲弊が進むロシア経済。落とし所の探り合いが続く

 ロシアに対する経済制裁がロシア経済をじわじわと追い込んでいる。ロシア経済の要で …

masasuchuwato
マーサ・スチュワート氏の会社が身売り。だがカリスマ主婦は転んでもタダでは起きない

 米国の「カリスマ主婦」といわれるマーサ・スチュワート氏が経営する会社が身売りさ …

kabuka
5兆円の損失を公表したGPIFがスマートベータ型運用にシフト。果たして儲かるのか?

 公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が保有する銘柄の公 …

twitter
ツイッターがとうとう折り返し地点?利用者数の伸びが鈍化し株価は大幅下落

 短文投稿サイトの米ツイッターは2015年7月28日、2015年4~6月期決算を …

googlecar02
日本企業は新規事業に極めて消極的。革新的事業に至っては米国の5分の1

 コンサルティング会社のデロイト トーマツ コンサルティングは17日、日本企業に …

kuroda02
これ以上の円安はないという黒田発言の真意は?

 日銀の黒田総裁は2015年6月10日、現在の円安水準は行き過ぎとの発言を行った …

nodazeichou
与党が2014年度税制改正大綱を発表。目玉はなくインパクトにに欠ける内容に終始

 自民・公明の両党は2013年12月12日、2014年度の税制改正大綱を決定した …

watsonibm
人工知能の本格普及が始まる兆し。これからの時代、知的職業はどう変わるのか?

  米IBMは2014年10月8日、同社の人工知能「ワトソン」を本格普及させるた …

taxi
タクシーの規制強化。それは本当に運転手の待遇改善を目的としているのか?

 与党と民主党は、タクシーの台数制限を義務づける「タクシーサービス向上法案」に合 …