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バフェット氏が所有する仏工場で悪臭ダダ漏れ。日本人によぎったある光景とは?

 

 フランス北部ルーアンにある化学工場で21日、腐った卵のような強い臭気を放つガスが大量に漏れ出す事故があった。ガスは人体には無害だが広範囲に拡散しており、100キロ近く離れたパリ市内で悪臭が漂った。その後風向きが変わり、今度は英仏海峡を越えて200キロ近くも離れたロンドン南部にも到達したという。パリでの悪臭は当日中に消えた。

 事故を起こしたのは、工業用潤滑剤や塗料添加物を生産しているルーブリゾール社が操業する工場。ガスは「メルカプタン」と呼ばれる種類で、都市ガスに添加してガス漏れに気付きやすくする用途でも使われるもの。人体に無害だがパリの緊急電話回線には一晩で1万人以上からの問い合わせがあり、悪臭による頭痛や喉の痛み、吐き気などを訴えたという。

 同社は実は、米国の著名投資家であるウォーレン・バフェット氏が所有している。さすがのバフェット氏も悪臭がパリやロンドンに到達することは予見できなかっただろう。

 フランスやイギリスではガスが無害であったことから、お騒がせな悪臭工場としてマスメディアで取り上げられただけで一連の騒動は終了した。だが日本人の中には不気味な記憶が甦った人もいる。福島原発の事故である。

 今回のガス漏れでは、200キロも離れたロンドンまで悪臭が到達している。臭いという空気中で消滅しやすいものですら、これだけ遠距離に運ばれるという事実は、大気中で消滅することがない放射性物質の飛散がいかに危険なのかをよく物語っている。
 福島原発で放出された放射性物質は遠く東京まで降り注いだが、臭いも味もしない。だが放射性物質に強烈な臭いが伴っていれば、東京は悪臭に包まれ、人々はパニックに陥っただろう。体感できないことは、人々の危機意識を麻痺させてしまう。だが人間が感じられないだけで、放射性物質は確実に各地に飛散しているのである。この事実を忘れてはならない。

 - 社会, 経済

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