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東北大が放射性セシウムの臓器蓄積の状況を牛を使って調査。母より子に多く蓄積

 

 東北大学加齢医学研究所は21日、原発事故の警戒区域内の牛に蓄積された放射性セシウム濃度に関する研究結果を明らかにした。
 それによると、放射性セシウムの蓄積は、骨格筋や膀胱で高く、甲状腺では低いことが明らかとなった。セシウムはカリウムと振る舞いが似ているといわれ、カリウムを必要とする筋肉への蓄積が懸念されていたが、動物による実証でそれが裏付けられた形だ(写真はイメージ)。

 研究チームは、福島第1原発事故後、原発から20キロ圏の警戒区域に取り残された牛79頭に含まれる放射性セシウムを臓器ごとに測定した。
 その結果、臓器に蓄積された放射性セシウムの濃度は血中のセシウム濃度と完全に比例し、その度合いは臓器によって異なっていた。
 もっとも蓄積するのは骨格筋で血中濃度の21.3倍、続いて膀胱(15.2倍)、腎臓(11.8倍)、心臓(9.94倍)、肺(8.23倍)、肝臓(7.78倍)、甲状腺(4.5倍)の順であった。

 セシウムはカリウムと振る舞いが似ており、カリウムは筋肉で多用されることから、筋肉への蓄積が懸念されていた。研究結果はそれを裏付けていることになる。心臓の数値が高いのも、心臓には心筋細胞が多く付随しているからと考えられる。

 また同研究では、母牛よりも子牛の方に高濃度の放射性セシウムがたまっているという結果も出ている。これまでは代謝が盛んな子供の方が放射性物質を蓄積しにくいといわれていたが、必ずしもそうではないことが明らかとなった。子供は放射線対する危険性が大人よりも高いものの、代謝が活発なので排泄しやすいと考えられてきた。この結果は、これまでの子供の放射線被爆に対する考え方に見直しを迫る可能性がある。

 今回の研究成果は、動物のものとはいえ、実際に汚染された現場で得られたデータである。放射能汚染から身を守るための有力な手がかりになるだろう。

 - 社会, IT・科学

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