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韓国次期首相候補が息子優遇で批判。毎回同じことの繰り返しが続く

 

 韓国の朴槿恵(パク・クネ)次期大統領が指名した首相候補の金容俊(キム・ヨンジュン)氏に対して、早くも息子を特別扱いした疑惑が韓国内で報道されている。
 日本と同様、韓国もタテマエ社会であり、親族優遇を批判しながら、皆がそれにあこがれているという歪んだ構図となっている。親族優遇が毎回批判されながら、それがなくなることは決してないのだ。

 金容俊氏は、朴槿恵氏が「弱者への配慮」を象徴する存在として首相に氏名した人物。元憲法裁判所所長を務めた判事であり、小児まひの後遺症で下肢が不自由な障害者でもある。

 金氏は、朝鮮戦争中に父親が北朝鮮に連行され、母子家庭で育った苦労人。ソウル大法学部在学中に司法試験に首席で合格し判事に任官した。
 当時の韓国は軍事政権であり、朴槿恵氏の父親である朴正熙氏が大統領であった。金氏は朴大統領の意向に沿わない判決を出す「信念の判事」と呼ばれていた。朴槿恵氏は父親の宿敵であり、障害者でもある金氏を首相に指名することで、弱者や人権に配慮していることをアピールしようとしている。

 だが金氏が韓国社会の超エリートで既得権益者であることに変わりはない。金氏も当然多くの利権を手にしている。
 韓国のマスコミが報じたところでは、キム氏の息子2人は経済力がない子供時代に約19億ウォン(約1億5000万円)相当の不動産を取得しており、両名とも兵役を免除されているという。長男についてはさらに1億6000万ウォン(約1300万円)相当の山林も取得しているという。経済力がない子供が親から資金をもらえば贈与税がかかるが、これを納めていたのかは不明だという。

 韓国や日本では実力でのし上がる人よりも、名門の出である人が尊敬される風土となっており、親にコネがある人が高い地位につきやすい。それに対する批判は根強く、毎回、アラ探しの報道が行われるが、名門出身者の優遇がなくなることはない。
 これは韓国社会や日本社会の後進性をよく表している。名門の血筋にあこがれながら、一方でその地位の高さを妬むという矛盾した行動は、市民の精神構造が幼稚で卑屈であることを物語っている。
 日本でも、世襲議員を批判しておきながら、一方では安倍首相のような人物を名門セレブとして持ち上げているし、小泉元首相の息子である進次郎氏は全国で大人気だ。

 名門一族というのはいつの世も存在しており、親族のコネによる優遇をゼロにすることなどそもそも不可能である。だが一方でそのような人物をセレブと称して過剰に賞賛することも馬鹿げた行為である。貧しい途上国ならいざ知らず、名門一族への過剰な賞賛や批判は少なくとも成熟国家となった国の市民が取る行動でないことだけは確かだ。
 韓国や日本において、名門出身者とゼロから財をなした人物が同じレベルで評価、賞賛されるような国になるまでには、あとどれだけの時間が必要なのだろうか?

 - 政治, 社会

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