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子供がいると女性は不幸?内閣府の調査結果は日本社会の現状をよく表している

 

 内閣府経済社会総合研究所は、幸福度が子供の存在によってどのような影響を受けているのかについて分析した研究結果を発表した。それによると、子供のいる若年層の女性は、子供がいない同世代の女性に比べて幸福度が低いことが明らかになった。これに対して男性の幸福度には差がないことから、子供を持つ女性の負担感が大きいことが明らかになった。

 この研究は、2012年3月に内閣府が実施した「生活の質に関する調査」の結果をもとにしている。同調査は全国の15歳以上の男女約1万人に対して、「現在の幸福感」「生活満足度」「5 年後の幸福感」などについて質問し、10段階で解答を得たもの。

 分析の結果、子どものいる若年層の女性は、子どもがいない同年代の女性に比べて、現在の幸福感、生活満足度、5年後の幸福度のいずれも低いことが明らかになった。男性の場合、子供の有無と幸福度に差が見られないことから、女性の負担が大きいことが伺える。

 また世帯収入の高い女性は収入レベルが低い女性に比べて全般的に幸福度が高いものの、子どもがいる女性とそうでない女性の幸福度の差は逆に大きく、収入が高いことが、子育ての負担感を増大させていることが明らかになった。
 さらに、フルタイムで働き、かつ子どもがいる女性は、現在の幸福感と生活満足度の両方が低いという結果も得られている。ここから得られる結論は、子どもを持つ女性の幸福度が子どもを持たない女性に比べて低いのは、共働きをしている女性の負担感が大きいことが原因ということになる。

 これまでの日本は多数の専業主婦を養えるだけの経済的な余裕があり、女性の社会進出はもっぱら女性の権利という視点でのみ議論されてきた。このため、女性の社会進出についてネガティブな印象を持つ男性も多く、女性の社会進出支援策は真剣に検討されてこなかった。子供がいる女性の満足度が低いのはある意味で当然の成り行きといえる。

 だが日本の人口が減少し経済成長が見込めない社会になってきたことから、今後は生活するために全員が仕事を持たなければならない時代に変わりつつある。女性の労働力化が必須の状況においては、子供を持つ女性の負担が大きいことは、経済成長を妨げる重大な懸念材料となりかねないのだ。
 子育て支援策に関する議論は、もはや社会問題ではなく、経済問題なのである。女性の社会進出について価値観のレベルで議論できる時代はとうの昔に過ぎ去ってしまったている。パラダイムがすっかり変わってしまったことを多くの国民は理解すべきである。

 - 社会, 経済

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