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李明博大統領が退任を前に恒例の特赦を実施。韓国でこの風習がなくならないワケ

 

 韓国の李明博大統領は、退任を前にして約50人に対する特別赦免(特赦)を実施する。特赦とは、大統領の権限で刑の執行を免除できる制度のこと。韓国の歴代大統領は、任期が切れる直前に多くの特赦を実施し、側近を社会復活させてきた。今回の李大統領の措置もこれにならったものと思われる。

 特赦の対象には、あっせん収賄罪で一審・二審ともに実刑判決を受け、上告を断念した崔時仲前放送通信委員会委員長をはじめとして、李大統領の側近が多く含まれている。また党の代表選で買収工作を行ったとして有罪が確定したパク・ヒテ元国会議長、不正献金の罪で実刑を宣告された徐清源前未来希望連帯代表なども特赦の対象となる見通し。
 ただし、李大統領の実兄である李相得元国会副議長については、刑が確定していないなどの理由で特赦の対象から外されたという。

 このような一連の特赦に対して朴槿惠次期大統領は反対する意向を表明しており、政権引継委員会のスポークスマンは、「もし特赦が強行されれば、国民が付与した大統領の権限の乱用に当たり、民意に背く」と述べて、現大統領側を強く牽制した。
 朴槿惠次期大統領の発言には、民意を大事にする姿勢をアピールして政権運営をスムーズにしたいという意図があるが、実はもっと複雑な事情があるという。朴槿惠次期大統領の発言は実は身内に向けられているというのだ。

 韓国では政界の要職についたら、その利権を最大限獲得するのは当然という風潮が根強く、朴槿惠政権を支える幹部の多くも、それを狙っている。特赦に対して厳しい姿勢を示すことで、身内であっても救済しないことを明確にし、不正を防ぎたいとの意向なのである。
 もっとも不正を実行する側は少々異なった考えを持っている。朴槿惠大統領は軍事独裁政権の大統領であった朴正煕氏の娘である。父親はあらゆる利権を独り占めし、朴槿惠氏はその富を最大限に利用して大統領になった。「自分が手を汚していないのは、単に父親の汚れた金を使っただけにすぎない」(韓国情勢に詳しいジャーナリスト)というのだ。

 確かに、政界の不正や側近を優遇する風習に反対する人物が、韓国では最大級の利権政治家であった人物の二世というのは説得力に欠ける。日本でも同様の光景が見られることがある。競争社会の実現や自助努力を強く主張する政治家が二世三世で、本人はまともに競争した経験がないというケースは多い。

 政治家は国民レベルを映す鏡であるといわれる。韓国でも日本でも政治家の利権や世襲を最終的に支持しているのは国民である。国民のレベルが低い国には決して優秀な政治家は生まれてこない。

 - 政治

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