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ヤフージャパンが絶好調。だが日本型ガラパゴス企業への道を着々と歩んでいる

 

 ヤフージャパンは29日、2013年3月期(通期)の業績を上方修正すると発表した。スマートフォン向け広告が順調で、売上高を従来予想から引き上げ、最大3382億円とした。営業利益は最大1817億円、当期利益は最大1121億円となり、売上高、営業利益、最終利益とも16年連続で過去最高を更新する見通し。
 ヤフージャパンは昨年6月、44歳の宮坂学が社長に就任し経営陣の若返りを図った。「爆速」をキャッチフレーズに、スマホ対応を迅速に進めた結果が好業績に結びついた。

 一方、本家本元の米Yahooの業績は何とか4年ぶりに前年比プラスとなったが冴えない状況が続いている。2012年12月期(通期)の売上げは49億8700万ドル(4488億円)、非GAAPベースの純利益は35%増の14億682万ドル(1266億円)だった。

 売上げこそ米ヤフーの方が多いが、利益はほとんど同レベルでヤフージャパンの方が利益率が高いことになる。
 しかも、米国のネット広告市場は約3兆4000億円なのに対して日本は約8000億円と4分の1程度の規模しかない。日本ではヤフージャパンはネット業界のトップ企業だが、米国のヤフーは完全な弱小企業に転落してしまったことが分かる。
 一方、米国の検索広告最大手Googleの2012年12月期(通期)の業績は、売上高が501億7500万ドル(4兆5000億円)、純利益が107億3700万ドル(9660億円)とケタ違いだ。

 米Googleはもはやメディア企業ではなく、検索エンジンを軸にしたテクノロジー企業となっている。一方の米ヤフーは日本のヤフーと同様、テクノロジー企業ではなく、広告収入が主体のメディア企業という位置付けだ。
 米ヤフーはGoogle出身のマリッサ・メイヤー氏をCEOに迎え、テクノロジー重視に舵を切るかに見えたが、状況は混沌としている。
 一方、米国で苦戦する米ヤフーを尻目に、ヤフージャパンは国内のネット・メディアとして圧倒的な地位を確立しつつある。ヤフージャパンは自社をテクノロジー企業として認識しておらず、広告プラットフォームという立場に徹している。実際、同社はインターネットにおけるニュース配信プラットフォームとしても標準的な立場になりつつある。これまでかたくなにヤフーへの配信を拒否してきた朝日新聞がニュースの提供を開始したからである。

 グローバルに見た場合、ヤフージャパンは典型的なガラパゴス企業だが、皮肉にも日本国内での立場は今後より強固になる可能性が高い。業績が絶好調のヤフージャパンは、国内では圧倒的な立場だが、グローバルな展開をまったく見込むことができない、典型的な日本の優良企業となりつつある。

 - 経済, IT・科学

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