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新幹線が大規模改修を前倒しで実施。ボロボロといわれる首都高は大丈夫なのか?

 

 東海旅客鉄道(JR東海)は29日、東海道新幹線の大規模改修を5年前倒しして開始すると発表した。東海道新幹線は開業から約50年が経っており、施設の維持が急務の課題となっていた。東日本大震災や中央自動車道笹子トンネル の天井板崩落事故を受け、改修の前倒しに踏み切った。

 改修の対象となるのは、東京―新大阪間のうち、鉄橋、コンクリート高架橋、トンネルの計約240キロメートル分。鉄橋は233カ所、トンネルは66カ所になる。
 従来は橋の架 け替えなど大規模な改修を想定していたが、既存設備の補修を中心とするやり方に変更した。これによって改修費用は7000億円程度となり、従来計画(1兆 1000億円)より安価になるという。

 日本の社会資本ストックは2008年から減少に転じている。新しく作るインフラよりも劣化してダメになるインフラの方が多くなっているのだ。
 社会資本ストックが劣化していく背景には、バブル崩壊以降20年間も続く不況の影響がある。だが本当の理由は「作りすぎ」である。日本における1人あたりの社会資本ストック総量は欧米の3倍以上あるといわれている。だが日本は欧米に比べて社会インフラが3倍も充実しているという感覚はないどころか、劣っている部分も目立つ。下水道の普及率が75%しかない先進国など日本くらいなものだ。
 ではこの金額がどこに消えているのかというと、ムダな公共事業であることは明白だ。誰も通らない道路や橋に膨大な金額が消えていったのである。

 新幹線はJR東海の稼ぎ頭であり、十分に償却ができる優良資産といえる。新幹線が稼ぎ出すお金で難なく改修が実施できるだろう。だが全国レベルに目を転じれば、ムダな設備投資の繰り返しによって、メンテナンス費用さえ捻出できないインフラが山積している。
 限られた資金を有効な資産に回すためには、使われていない資産は見捨てる必要がある。だが橋や道路は放置すると危険が伴うため、高額の費用をかけて解体する必要がでてくる。行くも戻るも地獄なのだ。政府債務をさらに増大させて改修や解体を実施するか、ボロボロの状態でダマシダマシ使い続けるのかという究極の選択を迫られる日が刻々と近づいている。

 新幹線がインフラの改修に乗り出したことをうけて、業界ではあるインフラに注目が集まっている。首都高速道路である。新幹線と異なり、首都高速のインフラは崩壊寸前といわれており、事故の危険性が日増しに高まっている。
 日本の公共事業の象徴といわれた高速道路網の改修が今後、どのような形で進められるのか?これは日本の財政も含めた将来像を映す水晶球となるだろう。市場はアベノミクスに沸いているが、日本経済が抱える問題の本質は、実はこのインフラにあるのだ。

 - 政治, 経済

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