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強いリーダーシップに憧れる安倍首相が上滑り。企業戦士という昭和なキーワード

 

 安倍政権がスタートしてから約1ヶ月が経過した。日銀に対する強硬姿勢によって円安と株高が実現したこともあり、市場ではアベノミクスに大きな期待が集まっている。首相としては、市場が示した期待感をそのまま政権に反映させ、参院選を制して一気に政権基盤を固めたいところである。
 首相は所信表明演説において「危機」という言葉を14回も使い、強いリーダーシップを発揮して日本を再生すると強調した。

 首相の決意は相当のもののようだが、少々上滑りな感も否めない。それはアルジェリアの人質事件に関する首相のコメントにも端的に表れている。

 人質事件を受けて首相は1月22日、「企業戦士として世界で戦っていた方々が命を落 としたのは痛恨の極みだ」だと述べた。「企業戦士」というフレーズは年配世代の人にとっても久々に聞いた古いフレーズではないだろうか?

 若い人は知らないかもしれないが「企業戦士」とは、昭和の時代、日本の経済成長を支えるため、自身の健康や家庭も顧みず、ひたすら激務に邁進するサラリーマンのことを表現した言葉である。まさに貧しい時代の象徴であった。

 安倍首相がこの言葉を用いたことには他意はないと思われる。なぜなら安倍首相は59歳と若いのだが、感覚的にはかなり古い世代の人間だからである。岸信介元首相の孫として若いうちから政界に入り、保守色が強い大物議員に囲まれていたため「年齢が一回り以上も上の小泉元首相の方が感覚が若いくらい」(政治ジャーナリスト)なのだ。
 またボンボンやひ弱といったイメージを持たれることを極度に嫌っているといわれ、強いリーダーシップに憧れを持っている。このあたりの感覚がないまぜになって企業戦士というキーワードが出てきたと考えられる。

 苦労を知らない二世や三世でも立派なリーダーになれる人は多い。だが苦労知らずのボンボンが、自分の弱さをコンプレックスに思い、ことさらに強さを強調するようになると、多くは空回りして失敗する。
 最近「安倍首相の顔つきが変わってきた」(衆議院議員秘書)との声も多く聞かれるが、自身の弱さも含めてすべてを受け入れるようになれれば、本物のリーダーに脱皮できるかもしれない。だが、果たして安倍首相にその覚悟は出来ているのだろうか?

 アベノミクスの効果や限界が見えてくる今年後半以降になると、いろいろと厳しい局面が出てくる可能性が高い。安倍首相の覚悟がホンモノなのかは、近いうちにはっきりしてくるだろう。

 - 政治

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