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3度目の正直!韓国がロケット打ち上げにようやく成功。それが意味するものとは?

 

 韓国初の人工衛星搭載ロケット「羅老号(ナロ号)」が30日午後、羅老宇宙センターから打ち上げられた。搭載した衛星は予定された軌道に投入され、打ち上げは成功した。韓国は世界で10番目の人工衛星搭載ロケット打ち上げ国となった。

 ナロ号は2002年に開発をスタートし約5200ウォン(約430億円)の総事業費が投入された。過去の2回の打ち上げはすべて失敗し、今回が最後のチャンスといわれていた。しかも発射直前に異常が見つかり、2回発射が延期されていた。韓国当局はギリギリのところで、プロジェクトを成功させたことになる。
 昨年12月に北朝鮮が人工衛星と称して長距離弾道ミサイルを打ち上げたが、過去2度の打ち上げ延期によって、奇しくも北朝鮮と韓国がほぼ同じ時期にロケットを打ち上げることになった。

 韓国や北朝鮮が必死になってロケットを打ち上げようとしているのは、ロケット打ち上げ技術を保有することは、事実上、戦略核兵器を保有していると国際社会からみなされるからである。現在のところ核兵器は地球上で絶対的な威力を持っており、この技術を保有する国は、他国から別格の扱いを受ける。
 日本のような国が曲がりなりにも国際社会でそれなりの地位を占めているのは、日本が高度なロケット技術と原子力技術を保有しているからである。日本は実際に核兵器を作っていなくても、事実上の核保有国なのである。
 北朝鮮は体制の維持のために、韓国は一流国への仲間入りを果たすために、原子炉技術とロケット技術の開発を進めることは悲願であった。

 北朝鮮と韓国のロケットを比較すると性能はほぼ同レベルで100キロ程度の物体を軌道に投入できる能力を持つ。超小型の核弾頭であれば搭載することが可能だ(核弾頭の小型化に関する技術があれば)。だが日本や米国など先進国のロケットの打ち上げ能力は韓国や北朝鮮の15倍から20倍もある。大型の戦略核ミサイルを開発するには、この程度の技術が必要となるため、両国にとってはまだまだ長い道のりとなる(本誌記事「北朝鮮が打ち上げた銀河3号と韓国のロケット羅老号はどう違うのか?」参照)。

 北朝鮮は韓国のロケットより多少古い技術だが、最大の特徴はほぼ自力で開発が出来ているという点だ。一方韓国は自力開発ができず、技術や部品のほとんどをロシアから購入している。ロシアからの輸入がストップしてしまうと、たちまち打ち上げができなくなる(本誌記事「発射延期となった韓国初の人工衛星搭載ロケット。実はほとんどがロシア製」参照)。
 韓国では今後10年程度の時間をかけ、ロケット技術の自力開発を行っていく方針だが、実現できるは不透明だ。

 ただ、他国から購入したとはいえ、ロケット打ち上げ国となった意味は大きい。北朝鮮と韓国の国際社会での発言力は以前よりも高まることは間違いないだろう。

 - 政治, IT・科学

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