ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

デフレにも関わらず東京の物価は世界1位。改革を先送りしたツケは大きい

 

 英経済誌エコノミストの調査部門であるエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)は2月4日、生活費の高い都市ランキングの結果を発表した。東京が1位、大阪が2位となり、デフレといわれながら、日本の生活コストは世界でもっとも高いことが明らかになった。

 この調査は、世界140都市について、食料や衣料、家賃など160項目以上の価格を調べたもの。ニューヨークを100とした時の相対値で評価している。

 1位は東京で152、2位は大阪で146、以下、シドニー(137)、オスロ(136)、メルボルン(136)と続く。
 東京は1992年の調査以降、1位にならなかったのは6回だけしかなく、日本の物価の高さが際立つ結果となっている。

 日本は長期間にわたってデフレに苦しんできたといわれている。確かに日本経済はバブル崩壊以降低成長が続き、3%成長を継続した米国や欧州とは大きな差がついてしまった。だがエコノミストの調査結果を見ると、日本はデフレが続いていたにも関わらず、物価は高いままだったということが分かる。これはどういうことだろうか?

 それは日本が構造改革を先送りしてきたからである。日本はデフレが続いた過去20年間、弱い産業を保護することばかり続けてきた。その結果、国民はデフレで収入が減っているにも関わらず、高価で質の低いサービスを強要され続けてきたのである。
 AV機器や家電の価格が下がっているのは、グローバル化の影響であってデフレのせいではない。だがこれらの価格低下がデフレのせいと勘違いさせられ、本来デフレで安くなるはずのサービス価格は保護政策によって高い価格が維持された。ひとつ例をあげれば、日本の航空運賃は今でも欧米の1.5倍を超える水準だ。

 これだけ物価が高いのに何とか生活ができたのは、超円高が続いてきたからである。だが今後は半永久的に円安になる可能性が高くなってきている。現在の状態でも米国の1.5倍の物価水準なのに、これに円安が加わると物価は急激に上昇してくることになる。1ドルが160円になった日には、もう庶民が海外旅行にいくことなど夢の話になってしまうだろう。

 だが競争社会を避け、弱い産業を保護するという政策は日本人自身が選択した結果である。円安になって物価が上昇し、生活が苦しくなることがあっても、それは甘んじて受け入れるしかないだろう。

 - 経済

  関連記事

no image
株価の新指数「JPX日経400」がスタート。市場への影響は?

 日本取引所グループ、東京証券取引所及び日本経済新聞社は2014年1月6日、新し …

kuroda
日銀黒田総裁のホンネはどこに?市場にくすぶるインフレ許容論者説

 日銀は5月22日の金融政策決定会合で、景気判断を上方修正するとともに、前回決定 …

maehara
前原戦略相が日銀政策決定会合への出席を示唆。困った日銀はどうする?

 前原誠司国家戦略相は2日の記者会見で、日銀の金融緩和の努力が足りない場合には、 …

toyota
トヨタの好決算は円安の影響ではない。海外生産、海外販売へのシフトが利益の源泉

 トヨタ自動車は5月8日、2013年3月期決算を発表した。売上高は前年比18.7 …

munyutin
反ウォール街だったはずのトランプ政権に多数のゴールドマン出身者

 選挙期間中からウォール街を敵視し、庶民の味方であることを強調していたトランプ大 …

googlecar01
Googleが自動車の自動運転システムを5年以内に実用化。その本当の狙い

 米Googleが自動車の自動運転の実用化にほぼメドをつけた。  同社は8月に、 …

yahoo02
低迷する米Yahooが何とか高収益を保っているのはヤフージャパンとアリババのおかげ?

 インターネット大手の米Yahooは7月16日、2013年第2四半期の決算を発表 …

toyotaroboto
今更? ウーバー出資や2足歩行ロボット買収など、トヨタに漂う出遅れ感

 トヨタが人工知能やシェアリング・エコノミーへの対応を矢継ぎ早に進めている。だが …

facebookcom
米国以外はカネにならない?フェイスブックに見る地域ごとのマネタイズ難易度

 SNS最大手の米フェイスブックは2014年4月23日、2014年1~3月期の決 …

bouekitoukei 201501
1月の貿易統計、輸出数量がようやく増加傾向に。要因は好調な米国経済

 財務省は2015年2月19日、1月の貿易統計を発表した。輸出額から輸入額を差し …