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デルがMBOで非公開化。背景には投資家の米株に対する強気姿勢がある

 

 米コンピューター大手のデルは5日、創業者のマイケル・デル氏などが「MBO」(経営陣が参加する自社株式買い取り)を実施し、株式を非公開化すると発表した。株式買い取り総額は244億ドル(約2兆3000億円)に上る見込み。

 買収にはデル氏本人に加え、米投資ファンドのシルバーレイク・パートナーズが参加する。また米マイクロソフトも20億ドルを融資する。
 デルは1984年にデル氏が学生時代に自宅のガレージで創業したパソコンメーカー。低価格と直販体制で急激にシェアを伸ばし、米国の若手起業家の成功モデルの一つといわれてきた。

 だが最近では、タブレット端末に押されて主力のパソコン事業が低迷。利益率の高い法人事業を強化しているが、業績は芳しくなかった。MBOによって非上場化し、リストラと事業再編を進め、株主の意向を気にせず思い切った経営改革を目指す。

 もっともウォール街では別の見方をする人もいる。デル氏がMBOによって会社に大なたを振るうつもりなのは間違いないが、MBOには別の側面もある。再上場によるキャピタルゲインである。

 デル氏は同社の上場によって巨万の富を得ている。だが最近は業績不振をうけて株価はさえない展開が続いている。デルの株価が高いうちにデル氏がどれだけの株を売却しているのかにもよるが、株価が低迷している今は、自社の株を買い戻す最大のチャンスなのである。
 もし今後、米国の株式市場が上昇するのであれば、リストラが完了した後のデルは高値で再上場することになり、デル氏は再び巨万の富を手にすることになる。

 大型のMBOが成立するためには、MBOを実施する経営者がリストラに自信を持っていて、かつ株式市場が今後しばらくの間好調であると投資家が確信しているという、2つの条件が必要となる。デルのような大型案件が成立するということは、投資家が米国の株式に対して、中長期的に強気の姿勢であることを反映しているといえよう。

 - 経済, IT・科学

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