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米国が中東に展開する空母を削減。全世界的な米軍撤退の始まりか?

 

 米国防総省は軍事費削減プロジェクトの一環として、ペルシャ湾に派遣する空母の数を削減することを決定した。イランとの緊張の高まりを背景に、ペルシャ湾には常時2隻の空母が展開していたが、今後は1隻のみとなる可能性が高く、中東における米国のプレゼンスは大幅に低下する。
 オバマ大統領は春にも中東を訪問する予定で、イランとの妥協が模索されている。今回の兵力削減は、対イラン融和戦略の流れに沿ったものとみられる。さらに長い目で見ると、米国における世界戦略の見直しのスタートともいえる。

 米国はこれまでペルシャ湾に、ステニスとアイゼンハワーの2隻が展開していた。
 このうちアイゼンハワーが修理のため米国に帰還することになったが、交代要員として予定していたニミッツの修理が長引き、中東には派遣されないことになってしまった。現在はステニス1隻が展開している状況である。

 本来であれば、アイゼンハワーの修理が完了次第、中東に戻し2隻体制を維持するはずであったが、アイゼンハワーは中東に派遣されるものの、変わりにステニスが帰還することで最終決着となった。修理が完了する今年夏以降は、アイゼンハワー1隻が中東に展開することになる。

 米国はこれまで全世界で軍事力が行使できるよう、空母11隻体制を維持することを国防の基本方針としてきた。11隻のうちどれか1隻は3年間をかけた原子炉換装工事でドック入りしているため、常時運用となるのは10隻である。しかも原子力空母は1年のうち半年程度しか航海することができない(半年はメンテナンス)ので、常に稼動しているのは5隻ということになる。逆に言うと、5隻を常に稼動できる状態にしておかないと、全世界レベルでの即時対応はできないということになる。

 今回中東に展開する1隻を削減するということは、中東でのプレゼンスの低下という意味だけでなく、空母のグローバル展開の体制そのものが見直されることを意味している。現在横須賀を母港にしているジョージワシントンについても、原子炉交換の時期となる2016年から2021年の間に退役させるというプランが浮上しており、軍事費削減の波は在日米軍にも及んでいる。

 もし横須賀の第7艦隊の主力空母が退役し、常時配備される艦がなくなった場合には、日本近海の制海権をめぐる情勢は一気に変化する。
 中東とアジア太平洋地域でのプレゼンス維持は、戦後70年間、一貫した米国の基本戦略であった。だがその長期にわたった基本戦略がとうとう変わろうとしているのである。

 - 政治

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